サッカー日本代表への合流を前に三笘薫が今季イチのプレーを披露 今後の課題は? (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【三笘のプレーが光り始めた後半】

 その時、試合はアーセナルの1-0のリードで推移していた。前半38分、ブカヨ・サカ(イングランド代表)と浮き球を競ったルイス・ダンク(イングランド代表)がその処理を誤り、サカにカイ・ハヴァーツ(ドイツ代表)のゴールにつながるアシストプレーを許していたのだ。

 試合内容的にも60対40でアーセナル。だがアーセナルのホームであることを考えると、ブライトンは善戦していたとも言える。それに三笘がどこまで貢献できていたかは微妙だ。前半31分、惜しいボレーシュートを放っているが、自慢のウイングプレーは披露できずにいた。前戦(マンチェスター・ユナイテッド戦)同様の、お互いのプレスがよく掛かるレベルの高い好試合のなかで、三笘は地味にプレーした。

 ライスが退場して10人対11人になると、さすがに試合の高級感は薄れたが、一方で三笘のプレーは光り始める。

 後半7分、ヤン・ポール・ファン・ヘッケ(元U-21オランダ代表)からサイドチェンジ気味の展開パスを受けると、対峙するベン・ホワイト(イングランド代表)と1対1に挑んだ。突っかけていくドリブルモーションから、内へ行くと見せかけてグイと身体をきり返すと、ホワイトはそのトリックに引っかかった。きれいに逆を取られ、置いていかれた。そのマイナスの折り返しが跳ね返るところを、攻め上がっていた右SBジョエル・フェルトマン(元オランダ代表)がシュートに及んだが、相手DFに当たり、ゴールはならなかった。しかし今季ここまでで、三笘の真価が最も発揮された瞬間だったことは確かだった。

 後半13分、ブライトンはダンクの縦パスを受けたヤンクバ・ミンテ(ガンビア代表)がシュート。その跳ね返りをジョアン・ペドロが蹴り込み、同点とした。

 三笘もその2分後に見せ場を作る。今度は左DFジャック・ヒンシェルウッド(U-19イングランド代表)の縦に走る動きをおとりに使い、内に向けて、インサイドで測ったようなパスを送った。MFヤシン・アヤリ(スウェーデン代表)のシュートに結びつけている。

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