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荻原拓也の本音は「森保監督に申し訳ない」 左SBが本職じゃない選手を起用せざるを得ない状況に「情けない」 (4ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke

【橋岡大樹の存在には「常にありがとう」】

 サッカーにおいても同様だ。

「ディナモ・ザグレブの選手はみんな、しっかり練習しているんですよね。練習の1時間前にクラブハウスに行くと、みんなジムで汗を流している。しかも、やれって言われたからやっているのではなく、彼らにとっては当たり前なんですよね。

 それと一緒で、組織としてオーガナイズされていないところがあっても、きっと気にしていない。純粋にサッカーを楽しんでいるし、試合に出る・出ないが自分の幸福度に直結していないように感じます。

 それにはビックリしたけど、確かにそうだなって。試合に出る・出ないだけが幸福度や充実度を測るモノサシではなくて、自分のなかにあるバロメーターさえブレなければ、毎日が幸せで充実すると思うようになりました」

 リーグ優勝を達成した祝勝会で、チームに受け入れられていることを実感した荻原は、同時に思っていたことがあった。

「まだ自分のプレーは全然、示せたとは言えない、もっと本来のプレーができるようになったら、どういう反応を示してもらえるのだろうか。(新シーズンは)絶対にやってやろう」

 そして、荻原は言う。

「純粋に好きになれた国、町、クラブに自分の力を還元しないと、自分がここに来た意味はない。試合に出ることはもちろんですけど、まずは日々しっかりやることで、ピッチに立った時に最高のパフォーマンスを発揮することが、サッカー選手である自分の使命だと思います。たぶん、悔しいのは試合の勝ち負けはもちろん、それ以上に自分の力が100パーセント出せないことだと思うので」

 クロアチアで揉まれ、成長を実感したからこそ、最後に聞きたいことがあった。浦和レッズジュニアユース時代からの同期である橋岡大樹が日本代表に名を連ね、プレミアリーグでプレーする今、「自分も」という思いがあるのではないかと──。

「大樹のことを意識していないっていうのは簡単ですよ。もちろん、悔しさはあるんですけど、あいつは友だちだし、接していて気持ちのいいヤツ。だから、悔しいというよりも、俺もがんばろうって思わせてくれる存在。

 サッカー人生において、大樹の存在には『常にありがとう』って思ってきました。だって、あいつがいなかったら、もっとどこかで足踏みしていたかもしれない。あいつの存在が(自分の)アクセルを踏む要素になっている」

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