吉田麻也は岡崎慎司や長谷部誠の引退をどう思ったか 「心を削られる部分はすごくある。寂しい...とは少し違う」 (4ページ目)
【内田篤人を見て「実績があれば、また輝ける」】
── そうなんですか。
「でも、なぜノープランかと言うと、1年、1年が勝負なんですよ。たとえば今、半年間や3カ月のケガが2回ほど出たら、もう契約更新してもらえないですからね。僕の場合は1年半契約なので、今年いっぱいで切れるから、どうなるかなというところです。
契約が更新できれば、続けるし、できなくなったら、違う道を選ばなきゃいけない。自分がやれると思っていても、需要がなければ意味がないし。だからもう、考えても仕方ないので、目の前のできることをやっていくしかないんですよね」
── そこに集約されるんですね。
「でも、引退に関して思ったことがあるんです。うっちーとか見ていると、また違うステージでも輝けるんだなって。あれだけの実績があれば、また輝けるんだなって」
※ ※ ※ ※ ※
インタビューはおよそ2時間半続いた。多少シリアスな内容に流れつつも、話が重くなりすぎないのは、美しいロサンゼルスの空と海のせいだろうか。
吉田の培ってきた経験から、日本サッカー界が学ぶものはきっと多いだろう。今後も多方面から必要とされる人間だと、あらためて感じさせる時間だった。
<了>
【profile】
吉田麻也(よしだ・まや)
1988年8月24日生まれ、長崎県長崎市出身。2007年に名古屋グランパスの下部組織からトップチームに昇格。早々にレギュラーの座を掴み、2008年には北京五輪代表にも選ばれる。2010年1月〜VVVフェンロー、2012年8月〜サウサンプトン、2020年1月〜サンプドリア、2022年7月〜シャルケ04でプレーしたのち、2023年8月にMLSロサンゼルス・ギャラクシーへ移籍。日本代表としてワールドカップに3度(2014年・2018年・2022年)出場し、通算126試合12得点。ポジション=DF。身長189cm、体重87kg。
著者プロフィール
了戒美子 (りょうかい・よしこ)
1975年生まれ、埼玉県出身。2001年サッカー取材を開始し、サッカーW杯は南アフリカ大会から、夏季五輪は北京大会から現地取材。現在はドイツを拠点に、日本人選手を中心に欧州サッカーを取材中。著書『内田篤人 悲痛と希望の3144日』(講談社)。
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