吉田麻也は岡崎慎司や長谷部誠の引退をどう思ったか 「心を削られる部分はすごくある。寂しい...とは少し違う」 (3ページ目)

  • 了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko

【同世代が指導者として切磋琢磨したら面白い】

── 今年の夏には日本代表の仲間だった岡崎慎司さん、長谷部誠さんが引退しました。引退発表を受けて、どのような気持ちでしたか?

「長谷部さんは誰もが『今年(引退)だろう』って感じていたんじゃないかなと思うんですけど、岡ちゃんはそうですね......この間、ラジオで笑福亭鶴瓶さんが言ってたんですけど、鶴瓶さんってうちの父親と同じ72歳らしいんです。で、鶴瓶さんは最近、知っている人が死んでいくたびに心が痛むと。

 死と引退は全然違うけど、引退ってやっぱり選手としての区切りじゃないですか。そう考えると、同い年や同世代が辞めていくと、心を削られる部分がすごくあるんですよね。寂しい......とはまた少し違うんですけど」

── 岡崎さんは「他人の引退には何も感じない」って言っていましたが、人によって感じ方は違うものですね。

「岡ちゃんは案外、心がないというか、泣いたりしない人なんですよね(笑)。この間、岡ちゃんと電話した時に『お前も監督になって代表監督を目指すだろうから、今度はまたその座を狙って競争やな』みたいなことを言ってたけど、『岡ちゃん、俺、そんな気持ち固めてないんだけど』って思って(笑)。

 でも結局、同世代の槙野(智章)だろうが、うっちー(内田篤人)だろうが、岡ちゃんだろうが、指導者になったら日本の頂点はそこ(代表監督)だから、みんながまた切磋琢磨したら面白いかなとは思います」

── 吉田さんは日本プロサッカー選手会の会長を務めているので、監督というより組織のトップを目指すタイプかなと思ったりもします。

「よく言われます。でも、引退後なんて自分でも何をしていいかわからないですから、やっぱりまずは指導者のライセンスは取らないといけないと思うので、そこから始めようとしているところです。引退後の選択肢としては(指導者の道も)あったほうがいいかなと」

── 実際、引退後のことを考えたりしますか?

「ノープランですね。ハセさん(長谷部)もその質問にはノープランって答えていたでしょ? アメリカにきて、シュンタさん(清水俊太/LAギャラクシーに19年間務めるトレーナー)に出会えてから、体の痛いところがほとんどなくなっちゃって。また、今後プレーできる時間が長くなっちゃうじゃんって思っているところです(笑)」

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