ユーロ2024ドイツ対スペイン 勝敗のカギは両軍の左右のバランスと大一番に臨む立ち位置 (4ページ目)
スペインの問題は、勝ち慣れていないことだ。ドイツの沈黙は10年間だが、スペインは12年間に及ぶ。マンチェスター・シティのロドリとレアル・マドリードのカルバハルは所属クラブで去年と今年、欧州一に輝いているが、他の選手には王者のメンタリティがあるとは言えない。アウェーのハンディをモロに受けてしまう可能性は否定できない。
逆に言えば、このドイツ戦を乗りきれば優勝は見えてくる。同じことはもちろんドイツにも言える。大一番である。
ドイツはこのほか、1トップ(カイ・ハヴァーツあるいはニクラス・フュルクルク)が機能するかも焦点になる。スペインではMFのファビアン・ルイスにも目を凝らしたい。この左利きのパッサー、個人的にはここまでMVP級の活躍をしている選手だと見ている。
著者プロフィール
杉山茂樹 (すぎやましげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。
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