林陵平がレアル・マドリードCL優勝の理由を解説「勝負強さ、歴史の重み、監督の力も感じたシーズン」 (2ページ目)

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【カウンターでビッグチャンス】

 レアル・マドリードのビルドアップに対して、ドルトムントはあまり前からプレッシャーをかけずに、4-1-4-1のミドルブロックで構えた。前半はこれがうまくはまっていました。

 レアル・マドリードとしては、ドルトムントがミドルゾーンにブロックを作ったので後ろでボールを持てるんですけど、そこから中盤のバルベルデやベリンガムになかなかボールを入れられなかった。

 これはユリアン・ブラントが背中のバルベルデへのパスコースを消しながら前線にプレッシャーをかけたり、マルセル・ザビッツァーも同じくベリンガムへのコースを消しながら行くという、インサイドハーフふたりの振る舞いがすばらしかったからです。

 あとは両ウイングのカリム・アデイェミとジェイドン・サンチョも、ブラントやザビッツァーが前に出た時には中を閉めていたんですよ。だから、やはりバルベルデとベリンガムへのパスコースが消されて、レアル・マドリードは外回りのパスになってしまいました。

 ドルトムントはこうして4-1-4-1のブロックからいい守備ができた時に、ボールを奪った後カウンターに出て行けました。チャンスを作り出したのは、フンメルスがボールを保持して少し運んだところから、アデイェミが抜け出してGKと1対1を迎えた場面。その後も、高い位置でイアン・マートセンが奪い返してスルーパスを出し、ニクラス・フュルクルクの抜け出し。左足のシュートは右ポストに当たりました。

 振り返ってみると、このふたつチャンスのどちらかを決めたかった。前半に関しては本当にドルトムントペースで、いい守備からいい攻撃という、狙いとしたプランで進められましたよね。

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