南野拓実が2年目のモナコでバージョンアップ どこのポジションでも「消えずに」活躍で現地メディアも高評価 (2ページ目)
【レキップが南野のプレーに高採点を連発】
あるいは、前述の『レキップ』紙が公表する毎試合の採点の平均点でも、南野は6.08を記録。1位ウスマヌ・デンベレ(パリ・サンジェルマン)、2位ピエール・レース=メル(ブレスト)に次いで、南野はリーグ・アン全選手の3位にランキングされている。
とりわけ南野の場合、6点を合格ラインとする『レキップ』紙の採点において、めったに見られない8点の評価を受けた試合が4試合もあり、これはデンベレとレース=メルの2試合を上回る。内転筋を痛めたあとの5試合こそ目立った活躍はできなかったが、採点7も5試合あるなど、現地メディアからも南野がシーズンを通して最もインパクトを残したモナコの選手だったと評価されている。
そして、『レキップ』紙は5月21日にリーグ・アンのベストイレブンを発表し、そのなかに南野を選出した。
このように、指揮官や現地メディアから高く評価される今シーズンの南野だが、シーズンを通して見てみると、個人的に最も強く感じたのは、南野自身のプレースタイルが以前と比べて変化したことだった。
昨シーズンまでの南野のプレースタイルをひと言で言うなら、相手ペナルティエリア内で最も能力を発揮するストライカー、いわゆるゴールを決める選手と表現できた。逆に言えば、主な仕事場・輝ける場所は、ほとんど相手ペナルティエリアの中、もしくはアタッキングサードに限られていた。
実際、プレシーズンからトップフォームを維持して迎えた開幕直後は、大不振に終わった昨シーズンから一転、3−4−2−1の右シャドーを任されてゴールとアシストを量産。その活躍により、8月のリーグ・アン月間最優秀選手賞に輝いた。
ところが、不動の左ウイングバックのカイオ・エンリケが長期の負傷離脱に陥ったうえ、南野が負傷欠場したマルセイユ戦で代役のアクリウシュが大活躍したこともあり、ヒュッター監督が基本布陣の3−4−2−1を修正。4バックや3−5−2を採用する試合が増え、南野も1トップ下、2トップ下、インサイドハーフと、複数ポジションを任されるようになっていった。
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