パリ五輪の「死の組」、日本の対戦相手3カ国を徹底解剖 出場全チームの横顔 (2ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

【どの国にもビッグクラブが狙う逸材が】

 日本にとって注意が必要な選手は、強力なCBコンビのイブラヒマ・シセ(シャルケ)とポルトガルでプレーするアミドゥ・ディアロ(ファレンセ)。またMFブバカル・トラオレ(ウルバーハンプトン)はマンチェスター・シティが狙っていると言われる逸材だ。すでに多くの選手がヨーロッパのクラブでプレーしており、経験も豊富だ。

 パラグアイは、強豪ひしめく南米で、アルゼンチンや五輪連覇中のブラジル、ウルグアイなどを抑えて1位となったチームだ。カルロス・ハラ・サギエル監督は74歳で、今大会最高齢の監督になるだろうが、実はパラグアイが唯一五輪に出場し、銀メダルを獲得した2004年アテネ大会の監督でもある。パラグアイは「その時の夢を再び」と、昨年10月に彼を監督に据えたのだが、その目論見は的中。再びチームをオリンピックに導き、"奇跡の人"と呼ばれている。

 チームの中心は、インテル・マイアミでリオネル・メッシとともにプレーするMFディエゴ・ゴメス。すでにフル代表入りしている彼は、現在300万ユーロ(約5億円)の価値があると言われている。また19歳のアタッカー、エンソ・ゴンザレス(ウルバーハンプトン)、23歳のフェルナンド・カルドソ(オリンピア・アスンシオン)も所属クラブでレギュラーの座をつかんでいる。

 イスラエルは、1976年のモントリオール五輪以来、2回目の五輪出場となるが、この時はアジア枠で出場していたので、ヨーロッパの代表として五輪に出るのはこれが初となる。並みいるヨーロッパの強国を抑えての出場は、快挙と言っていいだろう。昨年のU-20W杯では世界3位となっている。

 現在戦闘状態にあるイスラエルは、「五輪で負けるわけにいかない」という強いモチベーションを持っている。チームを率いるガイ・ルゾン監督は軍人でもある。

 チームは、U-20W杯とU-21ヨーロッパ選手権に出場した選手から、選りすぐりを集めると思われる。

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