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久保建英とソシエダに漂う「停滞感」とは? 直近5試合無敗も現地で高まる不満 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

 アーセナルから来た左サイドバックのキーラン・ティアニーはスペインの水に慣れず、ケガもあって苦労している。シーズン途中で獲得したジェラルド・ベッカーはヘタフェ戦でアシストしたように、プレーひとつを切り取るとすばらしいが、波が激しい。左サイドバックのハビ・ガランは唯一、確実な戦力になっているが、これでは劣勢になるのも必然だ。

 4月26日のレアル・マドリード戦は、来季を占う試金石にもなる。

 久保にとっては、"古巣"との対決になる。ラ・リーガだけでなく、CL制覇も照準に捉えたレアル・マドリードを相手に、実力を見せつけられたら、新たな道も開ける。その価値は、ヘタフェやアルメリア戦で得点することの数倍のインパクトになる。現在もリバプールなどの触手が伸びていると言われるが、また周りは騒がしくなるだろう。

「これまで(感得就任から6年)指揮してきて、最高のシーズンだ」

 イマノル・アルグアシル監督が言うように、悪いシーズンではない。CLでベスト16に進み、国王杯でベスト4、ラ・リーガでも現在6位。ラ・レアルの戦力で、異なるコンペティションを同時に戦うのは至難の業である。EL出場権を得られたら、最高到達点と言ってもいい。

 レアル・マドリード戦での久保の戦いが注目される。

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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