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「バルセロナの神童」「レアル入りする17歳ブラジル人」...次世代のサッカーシーンを席巻する10代選手 (2ページ目)

  • 中山 淳●文 text by Nakayama Atsushi

【無限の可能性を秘めたフランス人MF】

 同じくラ・マシア出身で、今シーズンのバルセロナでブレイクしたのが、17歳のパウ・クバルシだ。

 トップデビューは、まだ16歳だった今年1月19日のコパ・デル・レイのサラマンカ戦で、以降、あっという間にセンターバック(CB)のレギュラーに定着。その堂々たるパフォーマンスが評価され、3月22日のコロンビア戦ではスペイン代表デビューも果たしている。

 クバルシの非凡さは、何と言っても現代サッカーのCBに必要とされるパス能力にある。たとえば、左CBで先発したパリ・サンジェルマンとのチャンピオンズリーグ準々決勝第1戦。ラフィーニャの先制ゴールの起点となったのは、クバルシが自陣深くからハーフライン付近のロベルト・レバンドフスキに差し込んだスーパーなパスだった。

 まだ経験の浅い17歳で、あの距離の縦パスを正確にデリバリーするCBはそういない。パリ・サンジェルマン相手にそれをやってのけるクバルシの未来は、相当に明るい。

 その試合で、61分からピッチに登場したパリ・サンジェルマンのMFワレン・ザイール=エメリも、注目のティーンエイジャーだ。

 今年3月に18歳になったばかりのザイール=エメリ。昨シーズントップデビューを果たすと、今シーズンには本格的にレギュラーの座を勝ち取った。さらに代表においても、これまでフランスの年代別代表に選ばれ続けてきて、昨年11月のユーロ予選(ジブラルタル戦)ではついにA代表デビュー。その試合で代表初ゴールまで記録した。

 フランス代表のディディエ・デシャン監督もその才能を高く評価し、今夏のユーロ2024のメンバー入りも濃厚と見られている。

 最大の特徴は、トップレベルの試合のプレッシャーのなかでもブレない、確かなテクニックと卓越したゲームビジョンで、とりわけ攻撃センスが抜群。主戦場の中盤のみならず、ルイス・エンリケ監督の可変システムのキーポジションでもあるサイドバックも難なくこなすなど、戦術理解力も向上中だ。

 リーグ・アンで活躍するためのフィジカル能力も兼備しており、今後どのようなタイプのMFになるのか、無限の可能性を秘めたタレントと言えるだろう。

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