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遠藤航がELフル出場で見せた確固たる地位 ひと皮むけてリバプールの大勝に貢献 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【堂安は対戦相手から「ほしい」と思われるプレーを】

 縦勝負に行くには絶好のシチュエーションだった。前方に大きなスペースがあるにもかかわらず、堂安は格闘技で言う半身(はんみ)の体勢で制止。じっと内の様子をうかがった。自軍の攻撃の流れ、勢いを結果的に止める結果になった。172センチの小兵は、スケールの小さなアタッカーと化してしまった。

 ウェストハムの右ウイング、モハメド・クドゥス(ガーナ代表)と比較すると一目瞭然だった。来季プレーしたいのはブンデスリーガ9位のチームではなく、プレミアリーグ7位(ウェストハム)のチームだ。ライバルは相手方の同じポジションの選手なのである。

 相手方の監督から「ほしい」と思われる選手になれるか。CLを含む欧州のカップ戦で、対戦したチームから選手を引き抜くことは欧州では昔からよくある。まさに"あるある"なのである。出世を狙う選手はそこを意識したい。「来季ウェストハムでプレーしたい!」という気概が堂安のプレーから感じられたかといえば、残念ながら否だった。

 守田所属のスポルティングはアタランタをホームに迎え、1-1で引き分けた。ポルトガルリーグで2位ベンフィカに1ポイント差をつけて首位を行くスポルティング。中2日で迎えたこの試合ではエース、ビクトル・ギエケレシュ(スウェーデン代表)、中盤のモルテン・ヒュルマンド(デンマーク代表)らをスタートで使わなかった。アジアカップ後、絶対的なレギュラーでなくなっている守田が先発起用された理由かもしれない。

 セリエAで現在6位を行くアタランタと、試合内容的にはほぼ互角だった。守田は来週行なわれるアウェー戦に先発を飾ることができるか。遠藤に負けるわけにはいかない。

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著者プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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