久保建英は今夏に移籍するのか 地元スペイン人記者「欧州サッカー界の貴族たちの目にはスター選手として映っていない」 (4ページ目)
【重要な試合で違いを生み出す選手に】
一方、レアル・マドリードに戻るのは久保にとって一種のリベンジのようなもの。自分に大きな期待をかけてくれなかったのは間違いだったと誇示するために戻ることになる。
久保はラ・レアルと契約延長したが、レアル・マドリードにはラ・レアルが将来、久保をほかのクラブに売却した場合、そのキャピタルゲインの50%を受け取る権利や先売権という、これまでどおりの契約条項がある。つまりいつでも買い戻すのは難しくない状態だ。
しかし、久保はベンチ要員になるために戻ることは望んでいない。久保にとってその時代は過ぎ去り、今やラ・レアルにとって重要な存在となり、すべての試合で先発メンバーに名を連ねる選手なのだ。仮に今のレアル・マドリードに移籍した場合、レギュラーにはなれないだろう。
例えばブラヒム・ディアスのような役割を務め、多くの試合に出場するチャンスを得られるかもしれない。しかし、久保はジュード・ベリンガム、ヴィニシウス、そして来季入団が決定的なキリアン・エムバペらと同等のスター選手になることを望んでいる。だが、それを叶えるための道のりはまだまだ遠い。彼にはそれができると思うが、サン・セバスティアンで成熟する時間がもっと必要だ。
先日のビジャレアル戦(1-3)のようなタフな試合を、自分の力で打開しなければいけない。アグレッシブにプレーし、さまざまな形でトライしたが、決定的な働きはできなかった。
彼の次のステップは、今季前半戦で見せたように安定して試合を決定づける選手、決勝点やアシストを記録する選手となることだ。ビジャレアル戦では精細を欠き、少し苛立っているように見えたが、そうなってはいけない。
久保は以前、重要な試合で違いを生み出したいと言っていた。それが彼の今後の挑戦であり、ラ・レアルでそれをコンスタントに達成できれば、次のステップへの準備が完了する。久保はもっと高く飛び立てると思うが、まずはラ・レアルでさらに飛躍し、その力があると証明しなければいけない。
(髙橋智行●翻訳 translation by Takahashi Tomoyuki)
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著者プロフィール
高橋智行 (たかはし・ともゆき)
茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、リーガ・エスパニョーラを中心としたメディアの仕事に携わっている。
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