久保建英、再三の好機創出もスペイン国王杯敗退 PK戦を見つめるしかなかった

  • 中島大介●取材・文・撮影 photo&text by Nakashima Daisuke

 2月27日、スペイン国王杯決勝進出をかけ、久保建英所属のレアル ソシエダとマジョルカによって争われた準決勝第2戦は、1-1のままPK戦へ。PKスコア4-5でマジョルカが勝利し、久保は決勝進出を逃す結果となった。

 6試合連続先発出場となった久保は、延長前半14分までプレー。ファウルも厭わないマジョルカの厳しいマークにあったが、攻撃の起点となり好機を創出した。前半45分、久保のスルーパスへ抜け出したマルティン・スビメンディがクロスを送ると、相手のハンドを誘発。PKを獲得したが、キッカーのブライス・メンデスが外してしまった。

 マジョルカに先制点を奪われた後の後半26分には、久保とのパス交換で抜け出したメンデスがスルーパス、途中出場のミケル・オヤルサバルが反応し同点ゴールをマークした。

 延長前半5分には、久保のクロスを起点にソシエダが3本のシュートを放ち波状攻撃をしかけたが、ゴールライン上で身体を張ったマジョルカ守備陣に跳ね返された。

 試合を通したシュート数でも、マジョルカの6本に対しソシエダが26本と、ホームチームが優位に試合を進めたが、最後まで逆転のゴールを決めることができなかった。

 PK戦では、第1キッカーのオヤルサバルが失敗。マジョルカは、全員がシュートを成功させ勝利を掴んだ。

この記事に関連する写真を見る この日の写真に選んだのは、PK戦を見つめる久保のカット。104分間プレーしピッチを後にした久保は、ピッチの外からPK戦を見つめるしかできなかった。

 PKの開始と共に降り出した雨に打たれながら勝利を祈ったが、マジョルカ5人目のシュートが成功すると、頭を抱えしばし動くことができなかった。自身のプロキャリア初のタイトル獲得を目指し、並々ならぬ思いがあったが、願いは届かなかった。

 ソシエダは週末にはラ・リーガの対セビージャ戦、1週間後には、チャンピオンズリーグのパリ・サンジェルマン戦と大一番が控えており、ケガ人が続出するチームにおいて久保の起用法にも注目が集まる。

プロフィール

  • 中島大介

    中島大介 (なかしま・だいすけ)

    1979年生まれ。2006年よりバルセロナ在住。サッカーを中心にヨーロッパ各地で様々なスポーツの撮影、スポーツ選手インタビュー、ポートレートの撮影など。AIPS(国際スポーツプレス協会)会員。バルセロナでカフェも経営。

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