久保建英の日本代表戦をスペインの名指導者が回顧「リーダーになるべき選手だ」 (3ページ目)
タケはこれからも、さらに進化を遂げるだろう。サイドだけでなく、4-2-3-1のトップ下のようなポジションでも十分に真価を発揮できる。実際に、日本代表のトルコ戦やシリア戦ではその資質を十分に示している。伊東純也、堂安律などサイドアタッカーとの相性も悪くない。今さら私が言うことでもないが、彼はチームに戦いのオプションを与えられる重要な選手だ」
そして最後に、エチャリはあらためて久保についてのディテールを強調している。
「タケは脚力があって、お尻の使い方もうまく、下半身だけで相手との間合いに勝っている。たとえばドイツ戦の4点目のクロスに至るプレーもそうだろう。そのディテールが、トップ選手と平凡な選手の差だ。過去で言えば、香川真司、本田圭佑などと同じエクストラなレベルにある代表選手であり、将来的には彼らをはるかに凌ぐ可能性もある実力の持ち主だろう」
Plofile
ミケル・エチャリ
1946年生まれ。サンセバスチャン出身のスペイン・バスク人指導者。選手としては膝のケガにより27歳で引退し、その後は指導者に転身した。レアル・ソシエダでは20年以上にわたり強化ディレクター、育成ディレクター、セカンドチーム監督などを歴任。エチェベリア、デ・ペドロ、シャビ・アロンソなど有数の選手に影響を与えた。エイバルでは監督を務め、バスク代表監督(FIFA非公認だが、バスク最高の指導者に与えられる栄誉職)も10年以上務めている。また、指導者養成学校の教授も務め、教え子にフアン・マヌエル・リージョ(元ヴィッセル神戸監督)やハゴバ・アラサテ(オサスナ監督)などがいる。
著者プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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