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久保建英、鎌田大地、冨安健洋がベスト16入り CLグループステージを振り返る (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【インテルに内容で優っていたソシエダ】

 今季の日本人チャンピオンズリーガー8人の中で、もっとも順調なステップを踏んでいるのは久保だ。インテル、ベンフィカ、ザルツブルクと同居したグループDで、レアル・ソシエダはインテル、ベンフィカに次ぐ3番手候補と見られていた。ベンフィカには劣るだろうと。だが終わってみれば、インテルと同勝ち点の1位通過だった。

 昨季の準優勝チーム、インテルとの直接対決の結果はホーム1-1、6節目のアウェー戦は0-0で、内容的にはレアル・ソシエダのほうがわずかに勝っていた。惜しかったのは1-1に終わった初戦。インテルが同点に追いついたのは後半42分で、それはレアル・ソシエダが布陣を4-3-3から5バックに変更した2分後の出来事だった。普通に戦っていれば勝っていた、とは筆者の印象である。インテルをリスペクトしすぎたことが仇となった。

 最終節のアウェー戦も、レアル・ソシエダはボール支配率で、UEFAのデータに基づけば62対38の関係で勝っていた。引いて構えるインテルをレアル・ソシエダがどう崩すかが焦点になっていた。

 だが結局、最後まで大人数で守るインテルの守備を、レアル・ソシエダは崩すことができなかった。攻めが真ん中に偏ったこと、外をえぐれなかったこととそれは大きな関係にある。右ウイングの久保は8、9割、内へ切れ込んだ。10数度あったウイングプレーの中で縦突破は確か2度ほどしか敢行していない。裏からではなく、結果的に正面から壁を崩そうとする恰好になった久保は、インテルの術中にはまり込むことになった。

 マイナスの折り返しは決まらなかった。こうした状況では同じドリブラーでも縦突破を得意にする三笘薫のほうが有効だ。ふとインテル対ブライトンを観戦してみたい気持ちに襲われた。

 もうひとり、久保で想起したのは、マジョルカから今季パリ・サンジェルマン(PSG)に移籍したイ・ガンイン(韓国代表)だ。最終第6節のドルトムント戦では、マヌエル・ウガルテ(ウルグアイ代表)に替わって出場を果たし、チームのベスト16入りにつながる1-1の引き分け劇に貢献した。

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