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久保建英、鎌田大地、冨安健洋がベスト16入り CLグループステージを振り返る (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【評価高めたレアル・マドリード】

 ウガルテは昨季までスポルティングで守田英正と守備的MFを張っていた選手だ。PSGに移籍したウガルテに対し、守田はスポルティングに残った。イ・ガンインは、守田に先んじて出世したウガルテに替わって出場したわけだ。日本人にとってはライバル心を燃やしたくなる選手である。

 韓国人のチャンピオンズリーガーと言えば、バイエルンのキム・ミンジェを真っ先に想起する。だがこの日は、マンチェスター・シティと戦ったレッドスター(ツルヴェナ・ズヴェズダ)のアタッカー、ファン・インボムも活躍した。韓国人の欧州組は日本人の3分の1程度と言われる。総数で日本は勝るが、これにプレミアのスター選手、ソン・フンミンらを加えたトップ選手の数となると競った関係になる。チャンピオンズリーガーの数をいかに増やすかは、日本サッカー界がこだわるべき点に見える。

 グループステージを終えて、もっとも評価を高めたチームはレアル・マドリードだろう。当初、5、6番手だった順位を、先述のように3番手まで上げている。その背景にあるのはマンチェスター・シティと並ぶ6連勝というグループステージの成績だ。
 
 好調の原因は、ジュード・ベリンガムの存在なしには語れない。今季加わったイングランド代表の20歳。フェイエノールトのヒメネスどころの話ではない。毎試合、マンオブザマッチ級の活躍をここまで続ける選手も珍しい。

 だがその一方で、レアル・マドリードのサッカーは守備的になった。想起するのは、カルロ・アンチェロッティ監督の下でCLを制した2006-07シーズンのミランのサッカーだ。同じく6戦全勝のジュゼップ・グアルディオラ監督率いるマンチェスター・シティとは対極を成すサッカーと言っていい。

 バルセロナが相変わらずパッとしないサッカーを見せるなかで、この対照的な両チームは際立って見える。2月14日に再開される決勝トーナメントに目を凝らしたい。

著者プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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