久保建英や冨安健洋の試合観戦が楽しくなる レアル・ソシエダとアーセナルの戦術を分析 (3ページ目)

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji

◆アーセナル(イングランド)

【全体に適材適所の配置】

 基本システムは4-1-2-3。左サイドバック(SB)のオレクサンドル・ジンチェンコがいわゆる「偽SB」としてボランチ化し、デクラン・ライスとともに組み立ての軸となる。

 右SB(ベン・ホワイトまたは冨安健洋)は、センターバック(CB)のガブリエウ・マガリャンイス、ウィリアン・サリバとともに3バックとして残るが、押し込んだ時は右ウイングのブカヨ・サカをサポート、オーバーラップも行なう。

 前方のハーフスペースは右がマルティン・ウーデゴール、左はカイ・ハヴァーツが主に担当。サカ、カブリエウ・マルティネッリのウイングが幅をとり、センターフォワード(CF)はガブリエウ・ジェズスまたはエディ・エンケティア。

 全体に適材適所の配置になっているが、ハヴァーツだけはまだ居場所と機能性がはっきりしていない印象はある。

 今季の移籍の目玉はライスとハヴァーツ。ライスのほうは最初から順応している一方、ハヴァーツは当初トップで起用されるもあまりはまらず、インサイドハーフでプレーすることが多い。

 もともと攻撃的MFではあるのだが、キャプテンのウーデゴールを中心にパスが回っている関係でハヴァーツの役割はゲームメークよりもゴール前への飛び出しが多くなっている。

 ウーデゴールとの関係は良いが、ハヴァーツ自身の特徴がまだ発揮しきれていない。時間の経過とともにチームのなかでフィットしてくることを期待したい。

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