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三笘薫、代表戦前とは別人のような動き EL2位以内確保もブライトンは茨の道が続く (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【見るからにコンディションが悪そうな三笘】

 この日、プレーに最も精彩を欠いたのはブライトンの三笘薫だろう。

 AEKアテネとのアウェー戦に先発した三笘。日本代表戦のために帰国したがケガのため試合をせず、イングランドにUターン。前戦の国内リーグ対ノッティンガム・フォレスト戦も休んでいた。AEKアテネ戦は病み上がりの一戦ということになる。

 開始2分、さっそく三笘は輝いた。前を走るエヴァン・ファーガソンに右足のアウトで軽やかな縦パスを送った。

 19歳のアイルランド代表FWが放ったシュートは相手GKに防がれたが、それは三笘の挨拶代わりのプレーに見えた。ところが、三笘はそこから沈黙する。前半11分に1度、ドリブル&フェイントを仕掛けたものの相手に奪われると、ドリブルさえしなくなった。それ以前にボールをほしがらなくなった。プレー機会は数えるほど。相手ボール時に相手の選手を追いかける姿にも鋭さを欠いた。見るからにコンディションの悪そうな選手がひとり、混じっているという感じだった。

 左SBに起用された選手が、ジャック・ヒンシェルウッドというアカデミー出身の18歳だったことも、左が機能しない原因だったが、コンビネーションの問題以前に、三笘自身の調子がおかしかった。

 後半24分、三笘はベンチに下がった。フルタイム出場が当たり前だった2週間ほど前までの三笘とは別人のようだった。

 ケガをした経緯は不明だが、日本に帰国するやケガをしたのだとしたら、ブライトンとしては遺憾だろう。まず負けることがない格下を相手にオールスターキャストを招集する必要があったのか。精彩を欠く三笘を見ていると、あらためて疑念が膨らむのだった。

 ブライトンはからくも1-0で勝利し、グループ2位以内を確保した。最終節は勝ち点1差でグループの首位を行くマルセイユ戦(12月14日)となる。文字どおりの大一番を迎えるが、三笘はこの2週間で回復するだろうか。三笘以外にもケガ人続出のブライトンにとって、茨の道が続く。

久保建英や鎌田大地、三笘薫など日本人選手の活躍にも期待!
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著者プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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