久保建英とブライス・メンデスのコンビに注目 レアル・ソシエダはレフティが支えてきた (2ページ目)
【レアル・ソシエダでは左利きの実力者が常に特別な存在】
アルメリア戦のパフォーマンスは良くなかったが、久保がその華麗な左足で幾度となく試合を決めてきたことでも証明されているように、レアル・ソシエダではこれまで違いを生み出す左利きの選手が鍵を握る活躍をしてきた。
ラ・レアルを代表するレフティと言えば、まず1980年代の歴史的なチャンピオンチームの大黒柱ロベルト・ロペス・ウファルテが思い出される。"ル・プティ・ディアブル(小さな悪魔)"の愛称で親しまれ、ボールを持つ姿はエレガントだった。巧みで素早く、相手に致命傷を与えることができ、ウイングにもかかわらずクラブ史上2番目に多い129ゴールを記録している。
ラ・リーガ(1980-81、1981-82)で2回、国王杯(1986-87)とスペイン・スーパーカップ(1983)で1回優勝。さらに1982-83シーズンのチャンピオンズカップ(CL前身の大会)準決勝進出の原動力になるなど、世界的なスター選手であった。
そのすばらしい時代から20年後、ラ・レアルは2002-03シーズンにラ・リーガ準優勝を果たしてCL出場権を手に入れ、再びサポーターを熱狂させた。この要因のひとつは、スペイン代表にも選出されたサイドバックのアグスティン・アランサバル、ウイングのハビエル・デ・ペドロで形成された左サイドにあった。
破壊力抜群のダルコ・コヴァチェヴィッチとニハト・カフヴェジの2トップに合わせるふたりのクロスは高性能で、スペインサッカー史に残るものだ。なかでもCKやFKから直接ゴールを決めることもできたデ・ペドロは、時代を代表する選手のひとりだった。
そのチームにはまた、ワン・クラブ・マン(1つのクラブだけでプレーした選手)のミケル・アランブルという左利きのMFもいた。"永遠のキャプテン"は公式戦427試合に出場し、CL出場から2007年の2部降格、2010年の1部復帰という激動の時代を過ごした。
アランブルはわずかな期間ではあるが、左利きの名手として名高いアントワーヌ・グリーズマン(現アトレティコ・マドリード)と、カルロス・ベラ(現ロサンゼルスFC)と一緒にプレーしている。
高い得点力を備えたこのふたりはその左足で相手DFを翻弄し、何年にもわたってサポーターを楽しませた存在だった。1部復帰からわずか3年でCLに出場し、国王杯で準決勝に進出したが、もしラ・レアルが今のような状態だったら、彼らはもっと大きなことを成し遂げていたかもしれない。
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