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レアル・マドリードのベリンガムが「いかに特別であるか」を風間八宏が解説「注目はボールを持った時の幅の広さ」 (3ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

【ボールを持てる範囲の広さに注目】

 では、そんなベリンガムの最大の特徴、武器はどこにあるのか。普通の選手とは何が違っているのか。風間氏が解説してくれた。

「特に注目してほしいのは、彼がボールを持った時のプレーの幅、範囲の広さです。しかも、広い範囲の中で、自分のステップを巧みに変えてボールを自分の中心に持っていくことができる。それができるから、スムースにボールを運べますし、ゴール前では素早くステップを踏み直して正確にシュートを決めることもできます。

 一般的に、ボールを止める時は自分が何でもできる位置にボールを置くことで相手を寄せつけないものですが、ベリンガムの場合、自分の間合いを作れる幅、範囲が広いので、その中にボールを置きさえすれば、ステップを踏むことでつねに自分がボールを操れる状態にできます。しかも足の運びがスムースで、体勢も崩れません。

 そうなると、相手はそう簡単にベリンガムの間合いに飛び込めず、ベリンガムからすると、その範囲が広くなります。だから、ボールと体が離れているように見えても、ベリンガムの場合は離れていることにはなりません。これは球際の攻防においても、相当な強みになっていると思います。

 身長186cmという体格を生かしたゴールコントロールの方法を身につけていて、ボールタッチも柔らかい。(ルカ・)モドリッチとは異なる"型"を持っていて、身長の部分で言っても、最近のベリンガムはジネディーヌ・ジダンに近いタイプになってきました」

 ダイナミックでありながら、エレガントさも兼ね備えるプレーメイカー。しかも、プレーエリアも広く、守備でも高い貢献度を誇るベリンガムは、20歳にしてすべてを持ち合わせたスーパータレントと言っていいだろう。

 これまで数えきれないほどの選手を見てきた風間氏が、舌を巻くのも頷ける。

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