久保建英は「本当に日本生まれなのか?」と地元サポーター スペイン人記者が歴史ある地元決戦での活躍を称賛 (3ページ目)

  • イケル・カスターニョ・カベージョ●文 text by Iker Castaño Cabello
  • 髙橋智行●翻訳 translation by Takahashi Tomoyuki

【彼は本当に日本生まれなのか?】

 久保はレアル・ソシエダ加入後、バスクダービーに3度出場しているが、その戦績は2勝1敗。ホームで2試合続けてゴールを決め、チームの鍵を握る選手となっている。

 今年1月にホームで行なわれたキャリア初のバスクダービーは、久保にとって最高のものとなった。開始前から闘志をみなぎらせ、キックオフと同時にトップギアに入れた。

 試合を通じてアスレティック守備陣の頭痛の種となり、チームの2点目を決めた時のDFダニエル・ビビアンを股抜きでかわし、名GKウナイ・シモン相手にゴールした一連の流れは、まるでテレビゲームを見ているかのようだった。

 多くのサポーターは彼が本当に日本生まれなのか、本当はギプスコア(※バスク州にある県。県都はサン・セバスティアン)出身なのではないかと疑ったほどだ。

 一方、4月にアウェーで行なわれた昨シーズン後半戦のダービーは、久保にとってラ・レアル加入後特に出来の悪い試合のひとつとなった。サイドで対峙したDFユーリを全く突破できず、絶望のどん底に突き落とされた。

 ディフレクトしたボールで1度、決定的チャンスを迎えたが、シュートはウナイ・シモンに素早く反応されてしまい、1時間近くプレーしたものの最低のパフォーマンスとなった。

 ここのところずっとチュリウルディンサポーターの間で話題になっていることと言えば、先日のダービーでのパフォーマンスよりも、久保のゴール後のセレブレーションだ。

 昨シーズン、得点後に広告パネルによじ登ったように、今シーズンも彼は世界中を駆け巡るジェスチャーを披露してみせた。この日本人選手は足をケガしているフリをして、チームメイトやサポーターが心配し始めた時、小さな"ペレオ"ダンス(※プエルトリコ発祥のお尻を激しく動かすダンス)を踊り、脚光を浴びたのだ。

 どうやらこれはチームメイトのアリツ・エルストンドに頼まれたとのことで、ゲーム『FIFA』でのゴールセレブレーションのひとつから来ているという。

 久保は今、サン・セバスティアンで快適に過ごしており、マジョルカ、ビジャレアル、ヘタフェ時代を完全に過去のものとした。彼はすでに自分にふさわしい居場所を見つけている。

久保建英や鎌田大地、三笘薫など日本人選手の活躍にも期待!
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プロフィール

  • 高橋智行

    高橋智行 (たかはし・ともゆき)

    茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、リーガ・エスパニョーラを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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