久保建英の進化にソシエダは追いつけるか CLを前にこれだけの不安要素 (3ページ目)
再三書いていることだが、久保のほうがダビド・シルバに近い。ただし、彼はよりゴールに近いところで最大の力を発揮する。昨季、ダビド・シルバがトップ下で久保が2トップの一角というコンビで旋風を巻き起こしたように......。
攻撃が単発になっているのは、FW陣のパワー不足も明らかだろう。アレクサンダー・セルロートは移籍し、アンドレ・シルバはケガ、カルロス・フェルナンデスは実力的に1シーズンを通して活躍するのは厳しく、ウマル・サディクはあらゆる点でフィットしていない。ストライカー的ポジションができるオヤルサバルも、まだ復活途上だ。
結局、久保が孤軍奮闘するしかない。
8月31日には、9月に開幕するチャンピオンズリーグ本戦の組み合わせが決まる。ラ・レアルはポット4に入ったことで、強敵との対戦が予想される。率直に言って、ベスト16進出は至難の業だろう。
久保がチームを引っ張り、勝ち筋を見つけるしかない。
著者プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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