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三笘薫の貢献度はさらにアップ 陣容が変わったブライトンで見せた昨季以上の存在感

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Reuters/AFLO

 プレミアリーグ開幕戦。ブライトンはホームでルートンタウンと対戦した。今季6位のブライトンに対し、ルートンは2部(チャンピオンシップ)の3位。昇格プレーオフでサンダーランド、コベントリーを破り、31シーズンぶりの1部昇格を果たした。ブライトンにとってはやりやすい相手である。

 アレクシス・マック・アリスターをリバプールに放出。移籍が秒読みの段階にあるとされるモイセス・カイセドも出場しなかった。ブライトンは昨季までの中心選手2人を欠きながら、格下に対し総合力の違いを見せつけるように4-1の勝利を飾った。

 三笘薫は2ゴールに絡んだ。全体としても10段階評価で7は出せる活躍ぶりだった。ブライトン、三笘ともに円滑なスタートを切った。この試合をひと言でまとめればそうなる。

プレミアリーグ開幕戦、ルートンタウン戦にフル出場した三笘薫(ブライトン)プレミアリーグ開幕戦、ルートンタウン戦にフル出場した三笘薫(ブライトン)この記事に関連する写真を見る カイセドの後釜にはドルトムントからやってきたマフムド・ダフードが座った。シリア出身のドイツ人。ドイツ代表歴は2度あるが、ドルトムントでは近年、出番を減らしていた。カイセドの代役が務まるのか、いささか懐疑的な目を傾けたくなる選手だった。

 ポジションは4-3-3のアンカー。試合開始当初は4-2-3-1の2として、同じくドイツ人選手であるパスカル・グロスと並んで構えるかに見えた。しかし、徐々に最終ライン近くに下がってボールを受け、ビルドアップを始動する機会が増えていく。まさに中心選手としての役割をけれんみのないプレーで的確にこなした。カイセドに出ていかれても問題なし。ブライトンの成績が昨季に比べ大きく落ち込むことはないだろうと、楽観的にさせるプレーぶりだった。

 一方、マック・アリスターの代役には2部のワトフォードからやってきた21歳のブラジル人選手、ジョアン・ペドロが座った。ポジションはブライトンの布陣を4-2-3-1と捉えるなら1トップ下、4-3-3と捉えるなら左のインサイドハーフになる。三笘の近くでプレーしたわけだが、2人の距離が近すぎる弊害が見え隠れした。

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著者プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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