田中亜土夢「背番号はサウナに」「新しいスパイクはサウナで試し履き」...元U-20日本代表がフィンランドに戻った理由 (4ページ目)
フィンランドリーグの昨季の王者としてチャンピオンズリーグ予選に挑むHJKヘルシンキこの記事に関連する写真を見る【胸に独自のスポンサーロゴ】
北欧のフィンランドでは冬場の平均気温はマイナスが続く。寒さが厳しいことから、秋春制が多い他のリーグとは異なり、春秋制のシーズンとなる。プレーするうえで苦労などはあるだろうか。
「開幕が4月で、だいたい1月からプレシーズンのキャンプがスタートします。外は人口芝が凍っているので室内トレーニングがメインですが、水を撒けないためボールがあまり転がらないので、やりにくさはあります。マイナス5度くらいまで気温が上がると、外のグラウンドでやりますが、芝が凍っているので、ボールが転がっても地面が硬くて(足を思いきり)踏み込めないのは少し大変。それに開幕の時期はまだ寒く、観客の入りが少ないのは寂しいですね」
社会保障制度の充実しているフィンランドでは、そのぶん税金も高額になる。永住しない外国人にとっては支払う額だけが大きくなりかねない。
「税金は、めっちゃ高いです。僕も65歳になったら年金がもらえるのかもしれないですが、いつ帰国するかわからないので(笑)。永住するつもりなら、いいんでしょうけどね。物価も日本と比べると少し高いです」
フィンランドリーグで独特なことといえば、ユニフォームの胸に選手自身がスポンサーを獲得することで、自らそのスポンサー名の入ったユニフォームを着ることができるのだ。通常はピッチに立つ11人は同じスポンサーロゴの入ったユニフォームを着るものだが、フィランドでは全員が一緒の必要はない。HJKの選手は基本メインスポンサーの「銀行(OP)」か「雑誌社(apu)」のどちらかのロゴの入ったユニフォームを着ているが、田中の胸にだけは日本企業のロゴが入っている。
「フィンランドではアイスホッケーがいちばんの人気スポーツで、サッカーの予算はそれに比べると少ないんです。僕が営業することで、クラブもハッピーになるかなと思って昨季からやっていますが、ほかにやっている選手はいません。もちろん、スポンサー料はクラブに入るので、僕には1円も入らないですけどね(笑)」
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