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伊東純也は大黒柱、南野拓実はサブ、新加入・鈴木唯人のライバルは3人。フランスリーグ後半戦、日本人5人の見どころ (2ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

【モナコ南野は予想以上の不振】

 前監督時代の3バック(3-4-1-2)時、伊藤はフォラリン・バログンと2トップを組んでいた。そのポジションも、スティル新監督になってからシステムが4-2-3-1に固定されたことで、最も得意な右ウイングに落ち着いた。

 たしかにその影響で、伊東のゴール数は伸び悩んでいる。しかしその分、右サイドを打開してクロスを供給するといったチャンスメイクで重要な役割を演じていて、バログンをはじめとする周囲との連係も上々だ。

 特に激しいデュエルが特徴のリーグ・アンで伊東がすぐにフィットできた理由は、相手が安易に飛び込めないほどの正確なボールテクニックと、パスとドリブルを巧みに使い分けるための素早い判断力にある。プレーのバリエーションも、ベルギーリーグ時代よりも増した印象だ。

 35歳の主将ユニス・アブデルハミドを除けば、3月に30歳になる伊東は若手中心のチームのなかでは精神的な部分でも重要な戦力。好不調の波もなく、わずか1歳差のスティル新監督からも全幅の信頼を置かれているだけに、後半戦も大黒柱として活躍してくれそうだ。

 その伊東とは対照的に、厳しい状況に置かれているのがモナコの南野拓実だ。

 これまでリーグ戦の出場はスタメン6試合を含む10試合で、出場時間は377分。ゴールも伊東との日本人ダービーで記録した1点のみで、アシストも3にとどまっている現状は、加入時の期待値からすると予想以上の不振と言っていいだろう。

 しかも、W杯ブレイク後に彗星の如く現れた17歳の逸材ベン・セギルが4-4-2(4-2-3-1)のFWのポジション争いに加わった。そのことで、ますます南野の出場機会は減少傾向にある。

 そもそもFWには、カタールW杯にも出場したスイス代表ブレール・エンボロと主将ウィサム・ベン・イェデルが揃ってふたケタ得点を記録しており、そこに割って入るためのハードルは高い。さらに言えば、負傷中の元ドイツ代表ケヴィン・フォラント、オランダ代表経験もある22歳のマイロン・ボアドゥもいる。

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