W杯決勝のスコアを識者が大予想。注目の一戦を制するのはエムバペのフランスか、メッシのアルゼンチンか (3ページ目)

  • photo by JMPA

【アルゼンチンがサイドの戦いを制するか】

中山 淳(サッカージャーナリスト)

<決勝スコア予想>
アルゼンチン2-1(延長)フランス

 両チームのここまでの戦いぶりを振り返っても、Bチームで戦ったチュニジア戦以外、危なげなく勝ち進んできたフランスが優位と見ていい。ただし、勢いに乗るアルゼンチンが勝つ可能性も十分にあり、どちらに転んでも、紙一重の戦いになるはずだ。

 本来の主軸の半数を欠くフランスのアキレス腱は守備にある。イングランド戦を乗りきったことで自信をつけてはいるが、本来的に守備能力の高い選手がピッチに少なく、フィールド10人のうち攻撃的な選手が6人(ジルー、エムバペ、デンベレ、グリーズマン、アドリアン・ラビオ、テオ・エルナンデス)もいる。左サイドバック(SB)のテオ・エルナンデスも、本来4バックのSBではなく、MFかウイングバックが適性の選手で、現在はグリーズマンが守備の補完役に回っているのが実情だ。

 フランスは守備時に4-4-2に可変して、グリーズマンが中盤に組み込まれるが、中央のメッシを意識しすぎると、ここまでよく守備に戻っている右のデンベレと、守備に雑さが目立つテオ・エルナンデスのカバーリングがおろそかになり、最大の武器である両ウイングの威力も半減する。

 つまりアルゼンチンは、フランスが4-4-2になる時間帯を増やすために、両サイドが高い位置をとりやすい3バックを採用する可能性があり、実際、リオネル・スカローニ監督はオランダ戦でそれを採用した。サイドを制することができれば、メッシが有終の美を飾る可能性は十分にあるだろう。

 個人的な希望を言えば、メッシが優勝トロフィーを掲げ、エムバペがゴールデンシューズを手にするイメージか。パリ・サンジェルマンにとっても、それが最も円満な結末だ。

3 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る