アルゼンチンが3度目の頂点へ大きく前進。難敵クロアチアに3-0と完勝できた要因 (2ページ目)
クロアチア戦で2ゴールを決めたアルバレスこの記事に関連する写真を見る だが、1点だけなら、まだ試合はわからなかった。事実、クロアチアは準々決勝でブラジルに延長戦で先制されながら同点に追いつき、PK決着に持ち込んでいるのである。
次の1点――。それこそが勝敗の行方を左右する、この試合の重要なポイントだった。
ところが、先制からわずか5分後、アルゼンチンはいとも簡単に"次の1点"を手にしてしまう。
39分、自陣でボールを拾ったアルバレスはドリブルで力強く独走。クロアチアDFにカットされかかっても、体ごとボールをキープしながら強引に前進していくと、最後は再びGKと1対1に。今度は冷静にシュートを流し込み、貴重な追加点をもたらした。
わずか数分間での2ゴール。クロアチアにしてみれば「安い失点」(ズラトコ・ダリッチ監督)と嘆きたくなるのも無理はなかった。
こうなれば、試合は逆にアルゼンチンの思うツボだった。
クロアチアは選手交代で前線の枚数を増やすものの、むしろ中盤のバランスを崩す結果となり、攻撃は停滞。対照的にアルゼンチンはクロアチアの焦りを見逃さず、69分に緩急自在のドリブルで右サイドを破ったメッシが、中央に切れ込んでゴール前までボールを運ぶと、丁寧に送ったラストパスをまたしてもアルバレスが決め、3点目。これで事実上勝負は決した。
81分には、クロアチアのMFルカ・モドリッチが途中交代。無表情でピッチを去るキャプテンの姿は、両チームの明暗を残酷なまでに際立たせた。
それにしても、アルゼンチンの強さ、うまさばかりが目立った試合だった。
今大会のアルゼンチンは、初戦でサウジアラビアに1-2と敗れるまさかのスタート。直近35試合無敗と圧倒的な強さを誇り、優勝候補の一角に挙げられながら、グループリーグ敗退すら危ぶまれる状況に立たされた。
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