堂安律「20年間、積み重ねた努力が結果に出る」。盟友・原口元気の想いも胸に決戦の地カタールへ (2ページ目)

  • 鈴木智貴●取材・文 text by Suzuki Toshiki
  • photo by AFLO

 ワールドカップのグループリーグ初戦で激突するドイツ代表には、フライブルクの同僚DFクリスティアン・ギュンターとMFマティアス・ギンターも選出されている。堂安は「明日から敵になるので、嫌いにならないように(笑)」と冗談を飛ばす余裕も見せ、ドイツ戦に向けての意気込みをこう語った。

「今日(のウニオン戦)みたいな、試合を決定づける、チームを機能させたと思われるようなプレーができたらいいなと思います。今までの20年間、積み重ねた努力が、夢の舞台で結果に出ると思っています。いい結果、特別なものが、自分に訪れると信じてやりたいと思います」

 では、フライブルクで過ごしたこの数カ月、堂安にとってどれほどの意義があったのだろうか。

 2020−21シーズンに期限付き移籍で加入し、常に降格危機との戦いだったビーレフェルトとは違い、今季入団したフライブルクは前半戦を2位で終え、来季の欧州チャンピオンズリーグを射程圏内に捉えている。

 予算規模が決して潤沢ではない一方、今や強豪クラブのひとつに数えられるほどになったフライブルクで、具体的にどのあたりが最も成長したと、本人は考えているのだろう。

「強度のところと、相手に対して体を預けてブロックしながら運べるプレーもかなり増えていると思います。選手としてかなり大きくスケールアップできているんじゃないかなと」

 フライブルクでの成長をきっかけに他クラブへ引き抜かれていく、または国の代表選手に選ばれるようになった例は、枚挙に暇(いとま)がない。その理由を堂安はこう推察する。

「監督じゃないですかね? やっぱり監督が、ひとつの妥協も許さない監督なので。本当にサッカーのことしか考えないような生活になる。いい監督に出会えたなと思います」

 この日、ウニオンの選手として後半15分までプレーし、まさかの日本代表メンバー落選となった原口元気は、試合後のミックスゾーンで堂安にエールを送った。

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