原口元気は日本代表落選をどう受け止めていたか。「僕のサッカー人生は続いていくので...」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 千葉格/アフロ●撮影 photo by AFLO

「せめて笑って終われる2022年に...」

「今シーズンはいろいろと悔しいことが続いて、あまりよくない流れをしっかり自分自身で切らないといけないかなと思う。僕がいいとか悪いとか言うのは自己判断でしかないですけど、それ(自分のパフォーマンス)に対しては、別に悪いとは思ってないです。だけど流れとしてよくないかな、というのはあるので......」

 毎回のパフォーマンスに関しては、やりきっていると言う自負がある。それでもトータルで見れば、W杯メンバー落選も含めて、流れとしてよくないということだろう。

「試合も出たり出なかったりですし、『(チャンスを)つかんだな』と思ったらつかめなかったりということが続いている。9月(の日本代表合宿)が終わったくらいから、また少し自分にも流れがきているかな、僕が出ていない試合は勝ってなくて、僕が出た試合は勝つという試合が続いているので、あと一歩自分自身の結果さえ出てしまえば完全に逆転するのかな、というのはあるので、最後は自分でいい流れに持っていけるようにしたいなと」

 悪い流れを断ち切るのはあくまで自分自身。自らのプレーでしかそれはできないとわかっていた。

「(EL第6節サン・ジロワーズ 戦のように)スタメンで出て勝って、それでも状況が変わらないんだったら、数字を残すしかないなと。今のポジション的に毎試合、数字を残すのはなかなか簡単じゃないですけど、まあトライして。せめて笑って終われるくらいの2022年にしたいと思います、ハハハ」

 森保ジャパンでの原口は、出場時間こそ短いものの、毎回選出されてきたレギュラーメンバーだった。 昨年9月からのW杯アジア最終予選では全10試合中9試合に出場。6月に4試合、9月に2試合行なわれた親善試合でも、出場なしは2試合だけだった。

 そういう選手を選ばないということは、これまでの日本代表の活動そのものを否定するようなものではないかと感じられた。原口個人を見ていても、年齢を重ね、仲間を鼓舞する姿に、成長を感じるようになったし、そこにこそ存在意義があるようにも思えた。複数のポジションをこなすユーティリティプレーヤーでもあり、試合終盤に投入されればちゃんと試合を終わらせることのできる、経験値からくる安心感のある選手でもある。そしてポジション争いに苦労しているとはいえ、ブンデスリーガで首位争いを演じているチームの一員だ。

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