エムバペとネイマールのワンツーはまるで兄弟漫画のよう。ユベントスの「PSG対策」も開始5分で粉砕

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

「ロケット発射」

 チャンピオンズリーグ第1節の注目カードとなったグループH「パリ・サンジェルマン(PSG)対ユベントス」の一戦。ホームのPSGが2−1で勝利を収めた翌日、地元『レキップ』紙の一面にはそんな見出しが躍っていた。

 開始5分のキリアン・エムバペのシュートも、まさに火を噴くロケットがネットに突き刺さったかのような、衝撃的な一撃だった。

観客の度肝を抜いたエムバペのスーパーゴール観客の度肝を抜いたエムバペのスーパーゴールこの記事に関連する写真を見る 敵陣左サイドでボールを持ったエムバペの前には、前線から戻ったユベントスのFWアルカディウシュ・ミリクと3人のMF、さらにその背後には5人のDFが自陣ペナルティエリア前でラインを形成していた。

 とてもゴールをこじ開けられそうにない場面だったが、DFラインの前にいたネイマールが相手MFのライン間に下がってエムバペからのパスを受けると、パスしたエムバペはそのままスルスルっと3バックの右を務めたブレーメルの背後を狙って一気に加速。

 その動きの狙いを一瞬で読み取ったネイマールは、エムバペがブレーメルを追い越す前段階で背後のスペースに浮き球のパスを配球すると、そのままエムバペがフィニッシュ。そのボレーシュートはもちろんだが、なにより、エムバペの走る速度と方向にピタリと合わせ、落下するボールをそのままシュートできるようなピンポイントパスを配球したネイマールの絶品プレーを見逃すわけにはいかない。

 それは、まるで血の通う兄弟が漫画さながらのコンビプレーでゴールをこじ開けたかのような錯覚に陥るほど、奇跡的なシーンだった。最近は、ふたりの関係性をメディアに取りざたされることが多かったが、このゴールを見れば、彼らしかわからない"ふたりの世界"が存在することがよくわかる。とにかく、めったに拝めない夢のようなゴールだった。

 さらに20分にも、エムバペはアクラフ・ハキミとのワンツーからこの試合2点目のゴールを奪い、試合はPSG優勢で展開することになった。

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