エムバペとネイマールのワンツーはまるで兄弟漫画のよう。ユベントスの「PSG対策」も開始5分で粉砕 (2ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

S・ラモスを狙った作戦は?

 この試合のPSGの布陣は、ジャパンツアーから継続する3−4−2−1。負傷が心配されたヴィティーニャも先発してマルコ・ヴェラッティとダブルボランチを組み、現状の"鉄板メンバー"で今シーズン最初のビッグマッチに臨んだ。

 対するユベントスのマッシミリアーノ・アッレグリ監督は、基本とする4バックではなく、PSG対策として3バックを採用。GKヴォイチェフ・シュチェスニーをはじめ、FWアンヘル・ディ・マリア、MFポール・ポグバ、FWフェデリコ・キエーザら主力の不在も痛恨だったが、即席の3バックもうまく機能しなかった。

 ユベントスの狙いは、今シーズンのPSGが唯一苦戦したリーグ・アン第4節のモナコ戦(1−1)を参考に、ハイプレスを仕掛けることにあったはず。ところが、モナコ戦を教訓にしたPSGが修正を施し、ユベントスのハイプレスを回避した。

 ポイントは、両WBと3CBの右を担当するセルヒオ・ラモスだ。3−4−2−1の相手にハメられたモナコ戦では、ほぼマンツーマンでプレスを仕掛けられたことで完全にボールの出口を失い、両WBのヌーノ・メンデスとハキミが前に出られず、ボールを失っては5バックになって自陣深い位置で守るシーンが多かった。

 しかし今回のユベントス戦では、3−5−2のユベントスがPSGの3バックにプレスを仕掛ける際、2トップがマルキーニョスとプレスネル・キンペンベに、2列目左のファビオ・ミレッティがセルヒオ・ラモスにプレスをかけようとしたが、ミレッティがセルヒオ・ラモスに到達するまでに時間がかかり、逆にそこで空いたスペースを、ヴェラッティとマルキーニョスがローテーションしながらポジションをとって、ボールの出口を作った。それにより、両WBは容易に高い位置をとることができた。

 また、敵陣でボールを握る際には、ユベントスが5−4−1の陣形をとったため、1トップのドゥシャン・ヴラホヴィッチに対してマルキーニョスとキンペンベが残って数的優位を維持しながら、浮いたセルヒオ・ラモスがハキミの背後をカバーすべく高い位置に立った。つまり、PSGの陣形は左右非対称の2−5−3に変形し、中盤で数的優位を保つことができた。

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