ネイマールvsエムバペの不仲説もどこ吹く風。別次元の連係プレーでPSG驚愕の1試合平均4ゴール (2ページ目)
これぞMNMの真骨頂ゴール
また、ネイマールに負けず劣らず好調なのが、加入2年目のメッシだ。
昨シーズンのメッシはコパ・アメリカの影響で調整が遅れたうえに細かい故障が続き、さらにシーズン後半戦は新型コロナの後遺症が影響して結局トップフォームを取り戻せず。リーグ戦6ゴール14アシストに終わり、周囲の期待を大きく裏切ってしまった。
しかし今シーズンは名誉挽回を図るべく、始動日からいい状態でキャンプに入り、ジャパンツアーでも3人のなかで最も早い仕上がりを見せていた。その後も調子を上げて現在はトップフォームに近い状態で、3ゴール6アシストを記録する。昨シーズンのようなボールロストやイージーなキックミスもほとんど見られず、ネイマールとエムバペの引き立て役に徹しているように見えるほど、プレーに余裕も感じられる。
結局のところ、PSG最大の強みはMNMであることが、ここまでの戦いから改めて証明されたと言っていい。
たとえば、第5節のトゥールーズ戦の先制ゴールは、まさにMNMの真骨頂とも言えるシロモノだった。この試合のトゥールーズは、通常の4バックではなく、PSG対策として5バックを採用。自陣ペナルティエリアで人数をかけてしのぐスタンスをとったが、37分、3人は彼らでなければできないような方法で、中央をこじ開けて見せた。
中央にエムバペが、その1メートル右にメッシが、ネイマールはエムバペの左約5メートルの位置でそれぞれマークを背負っていたその場面で、エムバペの後方約7メートルの位置でボールを持つマルコ・ヴェラッティがエムバペに高速の縦パスを供給する。
すると、マークを背負ったエムバペがメッシにダイレクトでパスし、すかさずメッシがダイレクトでネイマールにスルーパス。エムバペがダイレクトパスした瞬間にマーカーの背後を狙っていたネイマールは、メッシのピンポイントスルーパスを受けると、GKの動きを見ながら冷静にフィニッシュした。
何もないところからでもゴールを決める......とは、まさにこのことだ。あの場面で3人のイマジネーションを信じて縦パスを入れたヴェラッティもさすがだが、思わず副審がフラッグを上げてしまうほどの一瞬の出来事は、改めて3人の別次元ぶりを物語っていた。
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