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カタールW杯対策に苦慮する各国。ブラジル代表はレアルに練習場使用を断られる (4ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 こうした点を補うために、チッチは選手たちと電話やメールで密に連絡を取り、またこれまでに2回、代表候補選手全員でズームによるミーティング開いている。ミーティングといってもほとんどは雑談だが、「それがチームワークにはとても重要なのだ」と監督は言っている。

 FIFAは今大会、代表に招集できる選手を従来の23人から26人に増やし、その前段階の代表候補もこれまでの35人から55人に増やした。最終的なメンバー登録の期限は11月14日。従来は開幕の15日前までには決めなければいけなかったが、今回は1週間前になった。ベンチ入りする選手の人数も6人から15人へ、つまりチーム全員となり、交代は3回まで5人が可能となる。

 こうした緩和策がとられたのは、大会スケジュールが選手たちの大きな負担となっていることを、そして代表チームがかなりに不満に思っていることを十分に承知しているからだろう。言い換えれば、彼らは根本的なスケジュール問題を解決せず、懐柔策をとることにしたのだ。

 W杯中断期間を補うため、ヨーロッパでは多くの国ですでにリーグ戦が始まっている。また、チャンピオンズリーグは中断期間があるために決勝が6月11日となる。長く過酷なW杯シーズンが始まった。

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