カタールW杯対策に苦慮する各国。ブラジル代表はレアルに練習場使用を断られる (2ページ目)
各国リーグの中断期間はバラバラ
たとえばプレミアリーグは、11月14日から12月25日までが中断。W杯開幕前に休みはないし、もし決勝まで進めば、論理的には5日後にはクラブチームでプレーしなければならないことになる(各クラブが参加選手個人に休みを与えるかどうかはそれぞれの判断とされる)。
フランスもイングランドと似たり寄ったりで中断期間は11月14日から12月28日。ポルトガルリーグも同じ。一方スペインはそれより少し長めで11月10日から12月30日が休み。大会前後には数日の休みが取れるかもしれない。
ブンデスリーガは中断が11月14日からと他国と同じだが、大会後は1月29日まで長い休みとなる。もともとドイツには12月から1月にかけての降雪時にリーグの中断時期があった。コロナ禍のイレギュラーな日程で、最近は中断期間が短縮されていたが、それが復活した形だ。
オランダはドイツほど長くないものの1月6日まで中断。ちなみにW杯に出場しないイタリアなども11月14日から1月3日までは休みとなる。イタリア代表はカタールに行かないが、セリエAからも多くの選手がW杯に参加するためだ。
一方、南米はヨーロッパほどリーグの日程が固定されていない。ブラジルの全国選手権は、4月9日に始まり、11月13日に終了する。アルゼンチンは2月11日にリーグ戦が始まり、10月23日には終わっている。ちょっと変わったところでは、オーストラリアは11月13日に休みに入るが、大会期間中の12月12日には再開するという。どうせ12月18日に行なわれる決勝までにはたどり着かないと思っているからではないかと勘繰ってしまう。アフリカは南米以上にスケジュールが固定していないが、参加国のリーグはだいたい9月に始まり、W杯期間中は中断する方向で考えているようである。
それにしても選手にとっては厳しいスケジュールだ。ヨーロッパのクラブでプレーする選手が休みを取ったのは6月、約3カ月、各国リーグをプレーしたのちに、すぐさま暑いカタールに移動して大会に臨まなければいけない。体調面にかなり不安が残る。
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