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PSGの新体制にスター選手も戦々恐々。ネイマールさえもオフを早々に切り上げチームに合流 (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

ガルティエ監督の華麗な経歴

 現役引退後、アラン・ペランのアシスタントとして指導者の道を歩み始めたガルティエが初めて監督を任されたのは2009年12月。当時松井大輔も所属していたサンテティエンヌのペラン監督の解任により、アシスタントから新監督に昇格すると、堅守速攻をベースとしたチームを作り上げ、その後8年半にわたる長期政権を築くことに成功した。

 その手腕が買われ、2017年12月にマルセロ・ビエルサ監督の辞任によって混乱していたリールの再建を任され、残留を達成。さらに翌シーズンは2位、4シーズン目にはPSGを抑えて10年ぶりのリーグ・アン優勝を果たす。そして昨シーズンは、リーグタイトルを手土産に移籍したニースで上位争いを演じて5位でフィニッシュし、現在フランス国内においては最も評価の高い監督となった。

 そのガルティエが基本とするフォーメーションは、サンテティエンヌ時代から愛用する4−2−3−1と、リールを優勝に導いてから貫く4−4−2。しかしながら、カンポスとの話し合いのなかで今シーズンのPSGでは3バックシステムにもトライする予定だ。

 最も不安視されるのは、ガルティエのキャリアのなかで、PSGのようなスター選手を率いた経験がないことだ。しかもガルティエ監督には、PSGの悲願でもあるチャンピオンズリーグ(CL)の経験が圧倒的に不足しており、唯一の経験となったリール時代(2019--20シーズン)は1勝もできず、グループリーグ最下位での敗退を強いられた苦い経験がある。

 かつて2016--17シーズンに就任したスペイン人監督ウナイ・エメリは、自らのスタイルをチームに浸透させようとしたところ、主力選手たちの反感を買ってしまい、すぐに方針転換を強いられたことがあった。当時よりも格段にスター軍団化した現チームを率いるガルティエも、それと同じ目に遭ってしまわないのか。周囲が新監督に不安の目を向けるのも当然と言えるだろう。

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