マンチェスター・シティvsリバプールの首位決戦。今季プレミアリーグの行方を決める大一番の注目ポイント (2ページ目)

  • 井川洋一●文 text by Igawa Yoichi
  • photo by Getty Images

シティは今年に入ってやや勢いを失っている

 対するシティは、今年に入ってサウサンプトンとクリスタルパレスと引き分け、トッテナムにはホームで敗北。2月中旬のその一戦は、アディショナルタイムに追いつきながら、その後に再び勝ち越される後味の悪い黒星だった。

「(リーグ優勝が)いかに困難かを認識するために、負けたわけではない」と、このトッテナム戦後にグアルディオラ監督は語った。「少し前に、(優勝するには)まだまだ多くの勝ち点が必要で、これからもっと難しくなっていくと、私は言ったはずだ」。

 これは1月に後続を大きく引き離していた頃、「連覇も決まったようなものか」と騒ぐ人々を牽制するように話したことを意味している。そして図らずも、事態は彼の言葉どおりに推移していった。

 シティもチャンピオンズリーグ8強の初戦で、アトレティコ・マドリーを下している。ただし、ホームでのスコアは1-0どまりだった。UEFA公式のスタッツでは、67%のポゼッションと15本のシュート(アトレティコは2本)が記録されているが、枠内シュートはどちらも2本。

 いつものように完全に主導権を握りながら、68分にフィル・フォーデンが投入され、その2分後に彼のアシストからケビン・デ・ブライネがゴールをこじ開けるまでは、攻めあぐねている印象が強かった。

 日本時間4月10日夜、24時30分にシティの本拠地でキックオフを迎えるプレミアリーグの頂上決戦には、どちらがいい状態で臨めるだろうか。シティには移動がなかったけれど、アトレティコ戦では誰もが消耗したはずだ。また守備の要、ルベン・ディアスは負傷離脱から、まだ復帰できそうにない。

 逆にリバプールはリスボンへ往復しなければならなかったが、快勝して意気も昂揚にマンチェスターに乗り込んでくるだろう。主力に負傷者はいないし、追いかける立場のほうが、より力を発揮できる気がする。

「もしシティに勝てたとしても──それは実に難しいことだ──、これでリーグ優勝が決まったなどと思う者はいないはずだ」と、リバプールのクロップ監督はベンフィカ戦後の会見で話した。「世界最高のチームと対戦するのだ。やってみようじゃないか」。

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