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マンチェスター・シティのこれぞポジショナルプレーの極み。いとも簡単にゴールが決まる仕組み (2ページ目)

  • 篠 幸彦●文 text by Shino Yukihiko
  • 西村知己●イラスト illustration by Nishimura Tomoki

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ジンチェンコがハーフスペースでパスを受け、クロスからマフレズにアシスト

 マンチェスター・シティの、巧みなポジショナルプレーが凝縮された得点シーンだった。

ジンチェンコがハーフスペースでパスを受け、クロスを入れてゴールを決めたジンチェンコがハーフスペースでパスを受け、クロスを入れてゴールを決めたこの記事に関連する写真を見る まずは左サイドバック(SB)のジンチェンコが、ハーフスペース(サイドと中央の間)に入ってベルナルド・シウバからパスを受けた場面。対面するジェイコブ・マーフィーは、左タッチライン際にスターリングがいるために数的不利になり、寄せることができなかった。もしジンチェンコに寄せれば、シティはスターリングにパスを出し、簡単にサイドをえぐっていただろう。

 さらに中央に目を向けると、センターバックのキアラン・クラークに対して、ガブリエル・ジェズスとリヤド・マフレズが挟み込むようにポジションを取って、数的優位を作っていた。SBのマット・リッチーは対面するジョアン・カンセロが高い位置を取っていたため、中央に絞りきれなかった。

 そして、マーフィーが寄せられないことでフリーの状態でボールを持ったジンチェンコは、同じくファーサイドでフリーとなったマフレズへピンポイントクロス。マフレズがダイレクトで押し込んで3点目となった。

 シティはジンチェンコにボールが渡った時点で前線の至るところで位置的優位を作り、ニューカッスルは手も足も出ない状況となっていた。クロスとフィニッシュの精度はもちろんすばらしいが、見事にデザインされたポジショナルプレーの極みのような鮮やかなゴールだった。

◆【動画】プレミアリーグ ニューカッスルvsマンチェスター・シティ ハイライト
(シティの3点目は3分32秒~4分22秒)

◆【図】2021-22 欧州トップ10クラブ フォーメーション

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