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ユベントスに何が起きているのか。成績低迷と不正決算疑惑の背後にあるもの (4ページ目)

  • パオロ・フォルコリン●文 text by Paolo Forcolin
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 しかし、いったい誰が私の持っている選手が1500万と500万だったと決めるのか。この場合、私は好きな値を彼らにつけることができ、帳簿も簡単に操作できるのだ。

 こうした取引は2つのチーム間で行なわれるものなので、検察はユベントスのほかにも多くのチームがこの危険なゲームに参加しているとみている。実際、現時点で調査されている取引は42にものぼり、有名選手のものも含まれている。もしそれが証明されれば、サッカー界を揺るがす大きな問題となるだろう。

 このほか、不透明な選手代理人への謝礼についても調査が行なわれている。

 こうしたシステムの発案者はファビオ・パラティチだと言われている。かつてのユベントスのチームディレクターで、現在は(コンテが監督の)トッテナムでマネージングディレクターを務めている。パラティチは、3年間でユベントスに2億8300万ユーロのキャピタルゲインを作り出している。日本円に換算すると約360億円にものぼる。これほどの額を、会長のアニエリが知ることもなく、ひとりで操作したとは信じがたい。すでに多くのユベントス幹部が検察から厳しい追及を受けており、ある幹部は9時間にも及ぶ尋問を受けたそうだ。

 この司法の嵐は、イタリアサッカー界に大きな波を起こそうとしている。検察の調査が終わっても、その次にスポーツ裁判所の捜査が行なわれ、その先に多くの処分が待っているはずだ。こうしたクラブの不安定な状況は、ただでさえ不調のチームに追い打ちをかけかねない。

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