メッシなど「偽9番」は名選手の系譜。実は古いその歴史と機能するカラクリを解説 (4ページ目)

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji
  • photo by Getty Images

 ローマでのフランチェスコ・トッティは偽というより強力な9番で、プレースタイルはハンガリーでのヒデクチと似ている。

 守備時はトップに残り、縦パスをキープして的確に捌いてカウンターアタックの起点になる。キープ力とパスのうまさが抜群なので、味方が信用して後方からどんどん追い越し、結果的にトッティの位置が後ろになっている。追い越されるCFだ。

 攻め込んだ時はバイタルエリアで決定機を作り、自らもゴールする偽9番だが、もともとそこ(CF)しか置き場所がないというチーム事情で起用されていた。

 リバプールのロベルト・フィルミーノもこのタイプに近い。機能性というより、普通の9番より多芸多才な選手が、CFをやっているケースになる。

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