W杯欧州予選の最新勢力図。ドイツ、デンマークは出場権獲得、スペインは最終決戦へ

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by AFP/AFLO

 カタールW杯欧州予選が佳境に入っている。

 ドイツは北マケドニアを4-0と大差で下し、一番乗りで18回連続の本大会出場を決めた。グループJで7勝1分け、23得点3失点で1位を確定(1位は自動的に出場権を獲得し、2位はプレーオフへ)。5度目の世界制覇を目指す。

 ドイツはEURO2020で失意のベスト16 に終わって、長く続いたヨアヒム・レーヴ監督体制が終焉を迎えた。ハンジ・フリック監督が新たに就任し、復権の気配が漂う。バイエルンの監督時代に欧州王者になった時と同様、4-4-2で相手を攻守両面で圧倒するサッカーで、セルジュ・ニャブリ、ジャマル・ムシアラ(バイエルン)など気鋭アタッカーが大暴れしそうだ。

マケドニアを下し、カタールW杯出場を決めたドイツ代表マケドニアを下し、カタールW杯出場を決めたドイツ代表 その強豪ドイツでもアップデートをしないと取り残されるのが、欧州サッカー情勢である。
 
 たとえば、サッカーの母国・イングランドはロシアW杯ベスト4、EURO2020でも決勝に進んだ。国内プレミアリーグは欧州のトップに君臨し、ジャック・グリーリッシュ、フィル・フォーデン(マンチェスター・シティ)、ジェイドン・サンチョ(マンチェスター・ユナイテッド)、ハリー・ケイン(トッテナム・ホットスパー)など有力選手を擁する。

 カタールW杯予選でもグループIで首位を守っているが、10月、ホームで行なわれたグループ4位のハンガリー戦はまさかの引き分けだった。しかも先制点を奪われ、苦しむ展開。簡単に勝てる相手はいないのだ。

 欧州サッカー界はお互いが切磋琢磨しており、残念ながらアジア予選とは似ても似つかない。少しでも気を抜けば、強豪国も足元をすくわれる戦場だ。

 2018-19シーズンに発足したネーションズリーグは、それまでの親善試合を、欧州各国代表で競い合うタイトルマッチにした。他の大陸代表との対戦を制限するため賛否は分かれるが、真剣勝負によって競争力は増した格好だ。

 10月にはW杯予選と並行して、スペイン対イタリア、フランス対ベルギーの4カ国による2020-21シーズンの準決勝と決勝戦が行なわれた。優勝したのは決勝でスペインを2-1で下したフランスだった。

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