ネイマール以降、ブラジルから真のスター選手が生まれないのはなぜか (2ページ目)
◆ネイマールを丸裸にする。市場価値ナンバー1の知られざる素顔
ガブリエル・ジェズスがいるじゃないか。そう言う人がいるかもしれないが、残念ながら24歳のマンチェスター・シティのFWは、チームの絶対的アイドルではない。シティのスターはケビン・デ・ブライネだ。ジェズスはベンチを温めることもたびたびあり、優秀ではあるが、このままでは本当のスター選手になることはないだろう。
アヤックスのダビド・ネレスはどうだ。確かにポテンシャルはある。いいプレーをし、ゴールも多く決め、スピードもある。しかし、ずっと若きスター候補と言われ続けているままだ。
レアル・マドリードのヴィニシウス・ジュニオール。スピーディーなストライカーで、人を驚かすようなすばらしい動きを見せる。しかし彼もまた不十分だ。ブラジルを代表する選手のリストに入るには、もっと努力する必要がある。そして20歳のロドリゴは"ブラジルの未来"と言われているが、レアルではベンチにさえ入らないこともしばしばだ。
リバプールのロベルト・フィルミーノ、トッテナム・ホットスパーのルーカス・モウラ、エバートンのリシャルリソン、マンチェスター・シティのフェルナンジーニョ、リヨンのルーカス・パケタ、パリ・サンジェルマンのキャプテン、マルキーニョス、ユベントスのダニーロ、バルサのフィリペ・コウチーニョ、レアルのカゼミーロ......。
もしくはそれよりも一世代前にスター候補とされていたドゥグラズ・コスタ(バイエルン)、マルセロ(レアル・マドリード)、ウィリアン(アーセナル)......。彼らにもずっと期待をかけてきたが、気がつけばもう30歳を超えてきている。
そのうちの誰が我々を夢見させてくれたろう。プレーを見るだけでワクワクさせてくれたろう。冒頭にあげた選手たちとは比べ物にならない、誰ひとりとして――
我々はブラジルサッカーの歴史の中でも、大きな低迷期にある。ワインで言えば、何年も当たり年がないという状態だ。それは多くの条件が重なりあって生まれた現象だと私は考える。
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