2021.01.29

ザックジャパン時代から様変わり。日本人の欧州移籍トレンドを読み解く

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

 近年、移籍マーケットがオープンするたびに、数々の日本人選手がヨーロッパのクラブに移籍することが風物詩と化している。そしてこの冬も、その例に漏れることなく、5人の日本人選手が新たにヨーロッパに旅立った。

 川崎フロンターレの守田英正がサンタ・クララ(ポルトガル)に、柏レイソルの中村航輔がポルティモネンセ(ポルトガル)に、湘南ベルマーレの齊藤未月がルビン・カザン(ロシア)に、同じく湘南の鈴木冬一がローザンヌ(スイス)に、そして横浜FCの斉藤光毅はロンメル(ベルギー2部)に、それぞれ新天地を求めている(1月26日時点)。

斉藤光毅は19歳でヨーロッパに飛び立った斉藤光毅は19歳でヨーロッパに飛び立った  そのなかで、サンタ・クララの守田はさっそく1月25日に行なわれたリオ・アヴェ戦でデビューを飾ると、試合終了間際に決勝ゴールを決めて勝利に貢献。4−4−2の右ボランチでインパクトのあるパフォーマンスを見せ、新天地で上々の滑り出しを見せた。

 そもそも冬の移籍マーケットは、夏と比較すると市場規模は小さい。しかもこのコロナ禍において、新たに5人もの選手をヨーロッパに送り込んだ事実は、あいかわらず移籍マーケットにおける日本人選手の信用度が低くないことの証と言える。守田のデビュー戦での活躍ぶりも、おそらくその裏付けとなってくれるはずだ。

 ところで、今回ヨーロッパのクラブに移籍を果たした5人を見てみると、完全移籍かレンタル移籍かは別として、主に2つの傾向に大別されることがわかる。

 ひとつは、守田と中村のように、すでにA代表でプレーした経験を持ちながら、まだ常連に定着できていない選手で、かつJ1で一定の実績を積んでいる成熟した選手。年齢的には、20代半ばが主流だ。

 昨夏の移籍マーケットでいえば、FC東京から移籍した橋本拳人(ロストフ/ロシア)や室屋成(ハノーファー/ドイツ)らが、こちらにあてはまる。獲得クラブ側から見てみると、即戦力としての補強だ。

 そしてもうひとつは、齊藤未月、鈴木、斉藤光毅のように、アンダーカテゴリーの日本代表で国際大会などを経験し、これからA代表を目指す将来有望な若手選手。こちらは、J1での実戦経験が浅い10代後半から20代前半がメインになる。