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欧州CLラウンド16展望。ベスト8に勝ち進むのはどこか? (3ページ目)

  • photo by ●Getty Images

小澤 まだどっちにある、とは言えないですね。そもそもシメオネはまだタイトルのことを口にしてなくて、いつものように「パルティード・ア・パルティード(試合から試合へ)」という謙虚な姿勢を崩していませんから。ただ、たとえばグループステージのバイエルンとの2戦目などを見てもそうですが、本当にCLベスト8以上を狙うのであれば、守備で5バックの低重心の戦い方ではまだ厳しい印象があります。逆に、ラ・リーガでは2強が序盤に崩れてくれたおかげで優位な戦いができているので、久しぶりにリーグ優勝の可能性は十分にあるのではないでしょうか。

倉敷 チェルシーとの第1戦と第2戦の間にはマドリード・ダービーも組まれています。今季、最初のダービーでアトレティコは敗れていますから、ダブルを食らうわけにはいかない。国内で優勝を争うライバルとの対決と、チェルシーとの2試合をどのようにプランするのか興味深いですね。

 では、同日に行なわれるバイエルン(ドイツ)対ラツィオ(イタリア)に話を移しましょう。戦前の予想では王者バイエルンを推す声が多いと思われますが、いかがでしょうか?

<層の厚さを感じさせるバイエルン。ラツィオは力を出し切れるか>

小澤 このカードはバイエルンでしょうね。昨シーズンからメンバーを大きく変えているわけではありませんし、積み重ねの部分を含めるとラツィオに負けるとは考えにくい。しかもグループステージ突破を決めたあとに大幅にメンバーを入れ替えて、若手中心にしたチームでもしっかり結果を残しました。選手層も厚みを増していますし、ラウンド16で転ぶことはないと思います。

中山 同感ですね。ラツィオは、久しぶりにCLの舞台に戻ってきたなかでラウンド16に駒を進めたのは賞賛に値しますが、組み合わせに恵まれた部分もあります。グループステージ6試合で無敗ですが、3位のクラブ・ブルージュ(ベルギー)には勝てなかった(2分け)。頼みのチーロ・インモービレ(イタリア)に昨シーズンのような爆発力が戻ってくることが、金星を挙げるための条件になりそうです。ただ、6年目を迎えたシモーネ・インザーギ監督(イタリア)のサッカーはチームに浸透しているので、ここはバイエルンの胸を借りて、とにかく思い切り自分たちの力を試してほしいです。

 対するバイエルンは、リバプール(イングランド)、パリ・サンジェルマン(フランス)、レアル・マドリードと同様に、ここまでは負傷者に悩まされて本来の実力を発揮しているとは言えない状態ですが、それにもかかわらずこの強さと安定感ですから、死角は見当たりません。これから戦力も戻ってくるでしょうし、優勝候補筆頭の立場に揺るぎはないと思います。

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