欧州CLラウンド16展望。ベスト8に勝ち進むのはどこか? (2ページ目)

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 対するチェルシーは、このコロナ禍においても大型補強を行なって十分に戦えるだけの戦力を揃えていて、バランスのよいチームになっていると思います。ただ、もう少しチェルシーらしいサイド攻撃やアグレッシブさは欲しいですね。今季の新加入選手たちがフィットするようになれば、2月までにはチーム力がもっと上がると見ています。

中山 僕は、ややアトレティコ有利と見ています。アトレティコの経験値は、フランク・ランパード監督(イングランド)率いるチェルシーのそれと比べると、明らかに上回っているのがひとつ。それと、アトレティコは攻撃的なスタイルを標ぼうしながらも、昨シーズンのリバプール戦のように、強豪相手の試合では原点に戻れる強みがあります。

これはかつて2015-16シーズンにレアル・マドリード(スペイン)とCLファイナルを戦って敗れて以降、よく見られる傾向なのですが、国内では攻撃的なサッカーに踏み出そうとトライしつつ、CLの決勝トーナメントになると強固な守備を武器とするいつものスタイルに回帰して強豪を破るという、ある種のパターン化されたものだと思います。それに、スアレスという強力なストライカーに加え、ジエゴ・コスタ(スペイン)が抜けた代わりにリヨン(フランス)からムサ・デンベレ(ベルギー)がローン加入しました。勝負強さも倍増するのではないでしょうか。

 逆に、チェルシーはプレッシャーのかからない試合では若手も伸び伸びプレーして強さを発揮しますが、互角以上の相手と戦う時は勝負弱さが出てしまいます。今シーズンの国内の試合でもその傾向があって、いわゆるトップ6のチームにはほとんど勝てていない。個人的には、ランパード監督は予想以上によくやっていると見ていますが、その部分を克服しないと、ベスト8以上を狙えるとはなかなか言えないところがあります。そういう意味では、百戦錬磨のシメオネと対戦する今回の2試合は、ランパード監督を評価するうえで、とても楽しみな一戦になると思います。

倉敷 アトレティコにおいて節目の10シーズン目を迎えたシメオネ監督ですが、今シーズンのプライオリティは、CLにありますか、それともラ・リーガでしょうか?

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