久保建英ビジャレアル、首位ソシエダと激突。両軍指揮官の数奇な縁 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Diego Souto/Quality Sport Images/Getty Images

 初めて監督を務めたロルカを、エメリはいきなり2部に昇格させている。その采配は卓抜だった。続いて2部のアルメリアを率い、1部に昇格させた。2バックなど画期的戦術を駆使。その後はバレンシア、スパルタク・モスクワ、セビージャと欧州を舞台に指揮をとり、セビージャではヨーロッパリーグ3連覇を成し遂げた。その栄光をひっさげ、パリ・サンジェルマン、アーセナルでも監督を経験している。

 エメリは、ひらめきに殉じる左利きアタッカーだった。しかし、指揮官としては極めて論理的で効率的な"負けない戦略"を突き詰めたサッカーを展開する。ファンタジスタ、久保の扱いにも慎重だ。

 2人は選手よりも監督として大成した点は共通しているが、信奉するプレースタイルは対極的だ。

 首位攻防戦、カギ握るのは左利きの選手かもしれない。レアル・ソシエダのミケル・オジャルサバル、ビジャレアルのジェラール・モレノ。同じく左利きの久保の起用も注目される。天才、ダビド・シルバはケガで欠場が濃厚だが......。

 11月29日、かつての戦友2人は、改修されたアノエタで激突する。

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