2020.09.27

南野拓実の魅力全開。
「ゼロトップ」で躍動して相手DFは大混乱

  • 田嶋コウスケ●文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

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 9月24日に行なわれたリーグカップ3回戦のリンカーン・シティ戦で、リバプールの南野拓実が2ゴール1アシストの活躍を見せた。

 ミドルシュートを決めた1点目、激しいプレスから叩き込んだ2点目と、いずれも鮮やかなゴールだった。モハメド・サラー、サディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノのレギュラー3トップに加え、ポルトガル代表FWディオゴ・ジョタの移籍でポジション争いが激化しているだけに、今季初先発で結果を残した意義は極めて大きかった。

リンカーン戦の2ゴールで存在感を示した南野拓実 ただ、それ以上に可能性を感じさせたのが、南野が偽9番として機能したことだった。

 センターフォワードとして出場したが、その働きは純粋なCFのそれではなかった。日本代表アタッカーの幅広いプレーエリアと役割が、7−2の圧勝を生んだ一因だったのは間違いない。

 この日のフォーメーションは4−3−3。CFに入った南野は前線から守備をこなし、相手のパス回しを追いかけた。こうしたハードワークが実を結んだのが、南野の2点目のシーンだ。

 南野は後半キックオフ時から相手を立て続けに4人追いかけ、スライディングでパスをブロック。後方にいた味方がボールを奪い、ショートカウンターから南野がネットを揺らした。

「真っ先にプレスをかけて追いかけていたのが、最前線にいるタキ(南野)だった。プレッシングやカウンタープレスの場面で、すべてリズムを作ってくれた」

 試合後のユルゲン・クロップ監督も手放しで褒めていた。

 ただ、南野は前線にとどまるだけではなかった。

 リバプールのマイボール時になると、南野は頻繁に中盤まで下がった。パスコースを作りながらポゼッションに参加し、時には守備的MFの位置まで降りてビルドアップに加わった。象徴的だったのが、前半26分までのプレーマップだ。

 南野のプレーエリアは、インサイドMFとして出場したMFカーティス・ジョーンズ、MFジェルダン・シャキリとほぼ同じ。右サイドバックのネコ・ウィリアムズよりも低い位置だった。一方、4−3−3の両翼に入ったFWディボック・オリギとFWハーベイ・エリオットは、ワイドエリアの高い位置にせり出していた。