「レコードブレーカー」ロナウド。
35歳にして神技を連発できる要因は (2ページ目)
左SBのアレックス・サンドロからのクロスボールをヘッドでとらえた時の打点の高さは、何と256cmを計測。ロナウドの身長は187cmなので、つまり69cmという驚異的なハイジャンプをしながら、かつゴール左隅に正確なヘディングシュートを決めたことになる。
30代半ばとは思えないそのフィジカル能力はもちろん、長い滞空時間で打点を合わせるテクニックも含めて、もはや神技の領域と言っていい。
結局、今シーズンのセリエAでロナウドが決めたゴールは、加入初年度の昨シーズンを10ゴールも上回る計31ゴール。得点王のタイトルこそ36ゴールをマークしたチーロ・インモービレ(ラツィオ)に譲ったが、3位ロメル・ルカク(インテル)とは8ゴール差をつけるなど、傑出した得点能力をあらためて証明して見せた。
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驚くのは、それだけではない。今シーズンのロナウドは、そのほかにも数え切れないほどの記録を達成しているのだ。
たとえば、第14節サッスオーロ戦から第25節S.P.A.L.戦までに記録した11試合連続ゴールは、2018−2019のファビオ・クアリャレッラ(サンプドリア)と1994−1995のガブリエル・バティストゥータ(フィオレンティーナ)に並ぶセリエAタイ記録。ユベントスの選手としては、史上初めて10試合連続ゴールを記録した。
ちなみにユベントスで1シーズン31ゴールをマークしたのは、1933−1934のフェリチェ・ボレル以来の偉業だ。
また、第34節のラツィオ戦では、出場61試合目にして歴代最速となるセリエA通算50ゴールを達成。68試合で50ゴールを記録していた元ウクライナ代表FWアンドリー・シェフチェンコ(ACミラン)の最速記録を大きく更新した。
その他、セリエAでプレーした歴代ポルトガル人選手のなかで初めてハットトリックを達成したのも、通算最多ゴールを決めているのも、もちろんロナウドだ。マヌエル・ルイ・コスタ(フィオレンティーナ→ミラン)やルイス・フィーゴ(インテル)など、過去にも多くのポルトガルの名手たちがセリエAで歴史を刻んだが、ロナウドは2シーズン目でレジェンドたちをあっさり追い抜いてしまった。
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