久保建英が最終節で見せた風格。来季レアルならモドリッチの代役候補に (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

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 何気ないが、"らしさ"が出たのは、61分のプレーだろう。

 センターサークル付近にいた久保は、ボランチのイドリス・ババからのパスをダイレクトで落とし、プレスを回避し、味方の攻撃につなげている。そのパスは至近距離からシュートのような速度だった。しかし久保は最も難しいダイレクトプレーを選択し、適切なコンビネーションを作り、攻撃を活性化させていた。技術、ビジョン、瞬発的判断力が必要で、能力の高さが集約されたプレーだった。

「中盤からすると、タケ(久保)にしかつけられないパスというのがあって、顔が見えるところにいるし、奪われないっていうのがわかるから、ぎりぎりの感じでも出せる。他の選手とは違いますね」

 日本代表MFである橋本拳人(ロストフ)のそんな証言と符合するプレーだ。

 久保は速く強いパスを求める。それはバルサのDNAと言えるかもしれない。ボールを速く走らせることが、相手より優位に立つ術だと心得ているのだ。周りのプレーヤーの力量次第で、彼自身のプレーも今後は輝きを増すだろう。

 新シーズンに向け、その去就が注目される。

 レアル・マドリードでのプレーか、レンタル続行か、完全移籍か。選択肢は三つだが、現状ではレンタル、それもスペイン国内が有力だろう。海外クラブに移籍させた場合、そのまま高額で売り払う事例が多い(今シーズン、ドルトムントにレンタル移籍させていたアクラフ・ハキミは、移籍金48億円でインテルへ移籍した)。レアル・マドリードに戻すにしても、スペイン国内でプレーしていないと、適応にあらためて時間がかかるのだ。

 そこでレンタル先としては、レアル・ソシエダ、ベティス、バジャドリードなど、レアル・マドリードが所有選手を送り込んでいるクラブの名前が挙がっている。攻撃的な戦術を採用するレアル・ソシエダは最適だが、左FWはキャプテンでエースのミケル・オジャルサバル、右FWのポルトゥはタフで得点力に長けた指揮官のお気に入り。ポジションは合致するだろうか。マジョルカはリーグ最低の戦力だっただけに、「1部なら順位やスタイルにこだわらずともよい」との意見にも一理ある。

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