2020.07.20

久保建英が最終節で見せた風格。来季レアルならモドリッチの代役候補に

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

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 7月19日、リーガ・エスパニョーラ最終節。マジョルカの久保建英はオサスナ戦で、58分からの出場になった。リーグ戦再開後、10試合連続で先発出場してきたが、前節に降格が決定したことで、他の先発組と一緒にベンチスタートになっている。

 しかし短い出場時間でも、久保は風格を漂わせていた。

リーガ最終節オサスナ戦に後半途中から出場した久保建英(マジョルカ) 試合を重ねても、久保はプレー水準が落ちない。それは簡単に見えて、難しいことである。ボールを受け、預ける、という単純な技術の質が高く、周りから信用されているし、敵に脅威を与えられる。ワンプレーで周囲をあっと言わせる選手は多いが、彼は連戦をこなしながら、”簡単にボールを失う”“シュートが大きく枠を外れる”というケースが極端に少ないのだ。

 精強な技術こそ、リーガで評価を高めている理由だ。

 シーズン途中には、プレミアリーグでダイナミックなプレーで活躍した韓国代表MFキ・ソンヨンがマジョルカに入団した。期待されたものの、ろくに出場機会を得られず、すでにクラブを去った。生き残るだけでも生半可ではない。

 はたして新シーズン、レアル・マドリードが所有権を持つ久保は、どこを新天地に選ぶのだろうか?

 オサスナ戦で久保は、こともなげにゴールチャンスを拵えている。

 右でボールを受けると、ディフェンスと対峙しながら、間合いを制するだけで絶妙なボールを左足で流し込む。アンテ・ブディミルの反応は遅れたが、高水準のプレーだった。左からも、相手を抜けきらずにコースを作り、左足を鋭く振って、GKとDFの間に速いクロスを送っている。これもエリア内の選手が飛び込むだけでゴールになるボールだった。

 サッカーは読み合いのスポーツだが、久保は相手に自分のプレーを読ませない。味方でさえ、時に感じられない瞬間があるのだろう。体幹が強く、ステップが警戒で、モーションも小さく、さらに”右に誘って左を”と裏をかける。オサスナ戦もカットインして左足シュートを放つシーンがあったが、対峙したディフェンスを迷わせ、後手を踏ませ、それをGKのブラインドにして際どいシュートを打っていた。