フランス式おもてなしに感心。ユーロ2016で生まれた傑作スタジアム (5ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 赤木真二●写真 photo by Akagi Shinji

 スタンドは2層式で、1階と2階の間はVIP席、スポンサー席になっている。記者席があるのは2階席。そこからの眺望は抜群だ。なんといっても急傾斜。もちろん球技専用なので、ピッチも近い。攻撃的な3バック(3-4-3)を敷くドイツが、守備的な3バック(3-5-2)を敷くイタリアに対し、終始押し気味で試合を進める展開が、手に取るように伝わってきた。

 だが、サッカーはわからない。先制したドイツの勝利で終わるかと思いきや、78分、ドイツDFジェローム・ボアテングがエリア内でハンド。レオナルド・ボヌッチがPKを決め、試合は1-1のまま延長、さらにはPK戦へともつれ込んだ。

 PK戦の結果は6-5。ドイツが判定勝ちしたような格好になったが、PK戦は9人目で決着する大乱戦だった。

 試合終了は深夜の12時近かった。試合後の取材もそこそこに、ドイツ、イタリアサポーターとともに、トラムの停車場を目指した。トラムは次から次へと現れ、30分以内には乗車することができた。パリ行きTGVの最終に間に合うかどうか、手に汗握る展開になった。

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